熊本にボランティア続々 GW初日、定員超えも
「できることを」「子どもたちの笑顔が見たい」。ゴールデンウイークの初日を迎えた29日、被災地熊本県には復興を手助けしようと多くのボランティアが集まり、避難所での仕事やがれき撤去に汗を流した。
ほとんどの自治体で参加者を九州や県内からに制限している。全国から受け入れる熊本市では、受け付け開始前から750人以上が列をつくり、仕事が割り振れず断った人は160人を超えた。
この日からボランティアの受け入れを始めた西原村に自転車で駆け付けた熊本市の高校3年伴鷹次郎さん(17)は「何でもいいので、できることをしたいと思って来た」と意気込んだ。
避難所で子どもたちとシャボン玉を作って遊んでいた横浜市の測量会社経営菊田正幸さん(56)は「子どもたちの笑顔が見られるようおもちゃを持ってきた。喜んでくれたみたいで良かった」。
約650人が身を寄せる益城町の避難所では、ボランティア約30人が段ボールベッドを組み立てた。夫婦で廊下に布団を敷いていた森川敏男さん(68)は「腰が悪いから、これでだいぶ楽になる」と笑顔を見せた。
南阿蘇村の避難所でノロウイルス対策の消毒をした熊本県八代市の公務員富幸子さん(40)は「申し訳なくなるほど感謝されている」とやりがいを語った。
「はがれた瓦を拾って。倒れたたんすを起こして」。南阿蘇村から委託を受け被災者の要望をまとめる大分県社会福祉協議会の西村真弘さん(25)は「ニーズを聞き出し、支援を活性化させたい」と話した。
熊本市でボランティアを受け入れる市社会福祉協議会の石原純生常務理事は、今後も被災者から片付けなどの依頼が続くと予想し、「連休明けも末永い支援をお願いしたい」と呼び掛けた。