河川堤防被害357カ所 熊本地震、山間部は土砂災害恐れ

 熊本地震で、堤防の沈下や崩落など、熊本県内の河川被害が少なくとも357カ所に上ることが10日、国土交通省と熊本県のまとめで分かった。山の斜面に亀裂が入るなど土砂崩れの危険性が高い箇所も54あった。梅雨や台風シーズンを控え、二次災害が懸念されており、国や自治体は早めの避難を促すため、普段より少ない雨でも洪水予報や土砂災害警戒情報を出す運用を始めた。

 国交省によると、国管理の1級河川は、県中央部を流れる緑川水系の127カ所、阿蘇から熊本市中心部へ流れる白川水系の44カ所、菊池川水系1カ所で被害が出た。

 うち堤防に大きな亀裂が入ったり、沈み込んだりするなど変形が大きい11カ所は24時間態勢で緊急工事を実施。川側の堤防を遮水シートやコンクリートブロックで保護するなどの作業を9日に終えた。小さなひび割れは、雨水が浸透しないようモルタルで埋めるなどした。

 国交省は「限られた時間で可能な対策をしたが、堤防機能が低下している」と指摘。緑川、白川両水系の計5河川は、避難や水防団出動の目安となる洪水予報の基準水位(全4段階)を引き下げた。本格的な復旧工事は、地震による損壊の原因を調べ、来年の梅雨までに終える方針だ。

 県が管理する河川は185カ所が被災。県によると、亀裂にシートを張ったり、沈下箇所に土のうを積んだりする応急対策を急いでおり、5月中に完了見込みという。

 一方、揺れの大きかった熊本県の山間部などを国交省が緊急点検した結果、南阿蘇村など計54カ所は斜面に亀裂やひびが入るなど、土石流や崖崩れ、地滑りの危険が高いことが判明。別の77カ所も警戒の強化が必要だった。

 地盤が緩んでいるため、雨による土砂災害が普段より起きやすく、気象庁などは熊本県などの市町村を対象に、土砂災害警戒情報の発表基準を変更。この情報は市町村が避難指示や勧告を出す際の判断材料になっており、通常の雨量8~7割に達した段階で情報を出す運用に改めた。

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