仮設用地、事前準備怠る 熊本7市町村、完成遅れに 

 熊本地震で仮設住宅を整備することになった熊本県内15市町村のうち7市町村は、国の事前の要請があったにもかかわらず、あらかじめ建設候補地を決めていなかったことが15日、分かった。このため候補地選びには時間がかかり、その分、完成が遅れる。候補地の事前準備は、用地や資材の確保が難航して完成が遅れた東日本大震災を踏まえたもので、2011年10月、国が全国の自治体に促したが、教訓は生かされなかった。

 熊本地震は2度目の最大震度7を観測した「本震」から16日で1カ月。県は当面2100戸、熊本市は別に800戸分の予算を用意。着工済みは13市町村計1192戸で、用地選びが続いている自治体もある。大量の避難者が予想される南海トラフ巨大地震、首都直下地震などの対策確認が求められそうだ。

 仮設は阪神大震災で被災の3日後、新潟県中越地震は4日後、東日本大震災は8日後に、それぞれ第1弾が着工。余震などの事情で単純に比較はできないが、熊本での着工は本震の13日後だった。

 共同通信が15市町村に調査。熊本市や宇土市、御船町、西原村など7市町村は「候補地を決めていなかった」と答えた。熊本市は「大地震に備える意識が低かった」、御船町は「準備が足りなかったとしか言えない」と釈明。美里町は18戸必要だが、県と用地などの協議をしている段階で、担当者は「希望者は農家など。事前に決めていても、田畑から遠いと意味がない」と説明する。

 8市町村は「候補地はあった」と回答。うち、宇城市と南阿蘇村は地域防災計画に候補地を明記していたと答えた。残る6町は「国の要請を受けて候補地を決めていたが、地震後に足りないことが分かった」(甲佐町)、「候補地は決めていたが、防災計画には盛り込んでいなかった」(益城町)などとしている。

 ただ、候補地があった8市町村の中には、予定通り建設できない例もあった。宇城市では候補地の一つで地盤沈下が発生。山都町は仮設が必要な集落と候補地が離れており、急きょ別の場所に変えた。公園など4カ所を候補地にしていた南阿蘇村は、阿蘇大橋崩落の影響により、候補外の隣町に建設を進めている。

 県の地域防災計画も「市町村は予定地を確保しておき、県は状況を把握・調整する」と明記していた。担当者は「市町村には要請してきたが、実際のニーズに合う場所を事前に選ぶのは現実的ではない」としている。

 一方、総務省が14年6月に公表した全国168自治体の抽出調査によると、仮設住宅の建設用地を事前に選定していたのは70・2%に当たる118自治体だった。

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