子育てしながら自宅で プチ起業 盛り上がる 成功の目安は収入月5万円

美容体験や雑貨販売などさまざまなブースが並んだ「FIKA」=福岡市男女共同参画推進センター・アミカス 拡大

美容体験や雑貨販売などさまざまなブースが並んだ「FIKA」=福岡市男女共同参画推進センター・アミカス

 ●ファン増やし、交流重ね、目標持って続けること
 
 自宅で子育てをしながら、趣味や特技を生かして収入を得る「プチ起業」に挑戦する母親が増えている。出産後の再就職が難しい中、低リスクで始められ、マイペースで働けるのが最大の魅力。起業家が出展するイベントや起業セミナーが各地で続々と開かれ、盛り上がりを見せている。

 6月下旬、福岡市南区の市男女共同参画推進センター・アミカスで、毎月恒例のイベント「FIKA」が開かれた。マッサージ、ネイル体験、手作りアクセサリー販売…。会場には20のブースが並び、赤ちゃん連れの女性客でにぎわった。出展したのは、自宅でサロンや教室を開いている「プチ起業家」の母親たちだ。

 初出展の厚谷美香さん(46)は4人の子を育てながら、グラスアートの資格を取得中。趣味が高じ、8月から教室を開く計画で「介護施設で週3回働いているけれど、年を取ったら体力的にきつくなる。いつかは教室を本業にしたい」と来場者にPRしていた。

 4月に自宅で耳つぼジュエリーの店を開いた前田愛香さん(28)は出産前、接客業をしていた。退職後は社会から取り残された気分になり、夫の転勤で地元を離れて孤独だったという。「今は友達も増えて毎日が充実しています」。接客する笑顔が輝いて見えた。

 厚生労働省の調査では、2010年に子どもを産んだ人のうち、第1子出産前後の退職率は54・1%。経済的な要因、経験を生かしたいといった理由で再就職を望む人は多いものの、不十分な保育や職場の環境が壁となって立ちはだかる。

 そこで注目されるのがプチ起業。通信講座などで取得した資格やインターネットを活用し、少ない資金で始められる。通勤や拘束時間がなく、子どもの急病にも対応できるなど育児と両立できるのも利点だ。

 日本政策金融公庫によると、女性起業家向けの融資件数は昨年度、3226社で前年比21%増。融資額も46%増の217億円となり「投資額を抑え、自宅で事業を立ち上げるプチ起業の増加が背景にあるのでは」と分析する。

 手軽に始められるとはいえ、収入がなければ続かない。FIKAを主催するNP0法人エコマム(福岡市)の理事長で、母親向けの起業セミナーも開く2児の母、清水麗子さん(43)に成功のポイントを聞いた。

 成功ラインは「月5万円を稼ぐこと」。パートで月8万~9万円稼ぎ、保育料3万~4万円を差し引いた分と同じくらいの収入だ。

 まずは、ビジネスの対象である顧客を決めることから始める。自分が働ける時間に客になってくれる人は誰か▽その人たちが困っていることや喜んでくれることで、お金を払うことは何か▽その中で自分にできること、好きなことがあるか-。「仕事内容は手段であって目的ではない。なぜ起業したいと思ったのか、原点を忘れないことが大切です」とアドバイスする。

 また、清水さんが成功者の共通点を探ったところ、「直接イベントを告知できるファンが100人いること」だった。ブログを毎日書く▽モニター制度など格安の体験メニューを作る▽ホームページやイベントでお客になりそうな人と交流を深める-など「お金をかけなくても手間をかける」のが鍵になるという。

 清水さんは「大きな夢や目標を持ち、続けていくことが何より重要です。失敗を恐れずチャレンジしてほしい」と話している。

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 ●「夢の街プロジェクト」

 NPO法人エコマムは、福岡県内のhit住宅展示場のモデルハウスにプチ起業家延べ250人が出展する「夢の街プロジェクト」を開催する。会場には、雑貨や子ども服の販売、メーク、ベビーマッサージ、料理教室など多様なブースが登場し、モールに変身する。開催場所は、25日=マリナ通り(福岡市)、香椎浜(同)、大野城▽26日=久留米▽29日=小倉南(北九州市)。詳細は特設ホームページ(http://lifestyleclub.jp/yumenomachi/2013summer/)を参照。

=2013/07/06付 西日本新聞朝刊=

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