馬毛島 米軍訓練移転 南種子町議会離脱 反対組織 足並み乱れ 西之表市長「巻き返す」

 頑強だった移転反対の世論に変化が生じてきた-。鹿児島県・種子島の南種子町議会が14日、馬毛島(西之表市)への米軍艦載機の陸上空母離着陸訓練(FCLP)移転に反対する「米軍基地等馬毛島移設問題対策協議会」から離脱した。地元1市3町の首長と議会でつくる組織だが、13年2月の中種子町議会に続く離脱となった。反対派は「地元の足並みが乱れ始めた」と危機感を募らせ、賛成派は「受け入れの民意が広がりつつある」と歓迎した。

 FCLPの馬毛島移転は、2011年6月に日米両政府が候補地として合意した。だが、地元では治安や騒音への懸念に加え、「古里が戦争の道具にされる」との危機感から官民一体の反対運動が巻き起こり、協議会は全国から約22万人分の反対署名を集めた。防衛省は受け入れの見返りとして250億円規模の交付金を地元に示した。だが、13年2月の西之表市長選は「絶対反対」の長野力市長が、柔軟姿勢の新人との一騎打ちを倍近い得票で制して3選した。

 ただ、経済振興に期待して移転に賛成する声も根強く、4月の統一地方選では中種子町で「中立の立場で受け入れを検討する」とした田渕川寿広町長が初当選。南種子町でも元職の名越修町長が「民意を見極める」と訴えて返り咲いた。

 南種子町議会は「将来へのメリット、デメリットを正確に町民に伝え判断する」として離脱を決議した。これについて、協議会の会長も務める長野市長は「町議会が決めたこと。何も言うことはない」と語る一方、「賛成派の勢いが増せば、はるかに多くの反対派が必ず巻き返す。地元の民意は揺らいでいない」と強調した。

 種子島の住民団体「馬毛島への米軍施設に反対する市民団体連絡会」の大場寿勝事務局長(65)=西之表市=は「賛成派に切り崩されている。せめて西之表市だけは反対を貫きたい」と危機感を訴えた。

 西之表市議で移転賛成派の浜上幸十氏(65)は「反対ありきではない住民が増えてきた。中種子、南種子町議とも連携して理解を求めていきたい」と歓迎した。


(※事実関係は2015年07月15日西日本新聞朝刊掲載時のものです)

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