「デビル雅美」の名で30年活躍 第二のリング ぬか床と“格闘” 若松出身 吉田さん 「プロレスと同じ」

 「デビル雅美」のリングネームで、女子プロレスの世界で30年にわたって活躍した吉田雅美さん(53)が、古里の北九州市でぬか漬け店の店長としてぬか漬けづくりに奮闘している。「プロレスの派手な技の裏には練習の積み重ねがある。ぬか漬けも地道な作業の継続が大事」と、ぬか床と“格闘”する日々だ。

 吉田さんは同市若松区出身。全日本女子プロレスに「興味本位で出した」履歴書が通過し、体力審査も合格。1978年に16歳でリングデビューした。現役時代はヒール(悪役)として、ジャガー横田さんや神取忍さんらと激闘を繰り広げ、人気を集めた。

 2008年に現役引退した後、若松の実家に戻り、近くのスーパーで働いていたところ、ぬか漬け店経営者から「体が丈夫で力持ち、料理好きな人を探している」と打診された。ぬか漬けづくりの経験は無かったが料理好きだったこともあり、11年に小倉城(同市小倉北区)の広場内にある「糠蔵(ぬかぐら)」の店長に就任した。

 ぬか漬けの仕込みは午前6時に始まる。ぬか床のたる(重さ約10キロ)18個を保管場所から動かし、中をかき混ぜる。重労働だが「プロレスで全身を使った体の使い方が身に付いている」と苦にならない様子だ。

 ただ、ぬか床の管理を覚えるのには苦労した。気温や湿度のわずかな違いで味が大きく変わるためだ。ぬか床をかき混ぜる際の手触りで発酵具合を確認する。手応えを感じ始めたのはこの1年ほど。「全神経を指先に集中させる。けがをしないように気をつけるレスラーと同じ」と笑う。

 最近は現役時代のファンの来店が増え、記念撮影にも気軽に応じている。吉田さんは「今度はぬか漬けのファンになってもらえるよう頑張ります」と目を細めた。

この記事は2015年12月12日付で、内容は当時のものです。

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