相島は猫島である CNN報道 世界聞き耳 乗船客にゃんと1万人増

 福岡県新宮町の沖合約8キロに浮かぶ相島(あいのしま)が「猫の島」として脚光を浴びている。近年の猫ブームが追い風となって国内外から観光客が増加。猫のイラスト入り缶バッジの販売が計画されるなど島おこしの“起爆剤”と期待される一方、ふん尿被害や観光客のマナー違反を指摘する声も。春の潮風のなか、島に渡り現状を追った。

 同町の新宮港から渡船「しんぐう」に揺られること約17分。上陸してまもなく1匹の猫がすり寄ってきた。気にかけずさらに歩みを進めると、いつの間にか8匹に囲まれた。愛らしく寝転び、「ミャーミャー」と甘い声で鳴く姿に、同県宇美町から夫婦で来た自営業女性(58)は「相島の猫は人慣れしている。ほど良く触れ合えて自然体な感じがいい」と満足げに話す。

 島は周囲約6キロ。島民は284人(2016年2月末現在)。13年、米CNNが「世界6大猫スポット」の一つとして取り上げたほか、翌14年に英字新聞「ジャパンタイムズ」が「野良猫の天国の島」と紹介。こうした評判がインターネットなどを通じて拡散した。新宮町によると、それまで減少傾向にあった渡船乗客数は、14年10月以降の1年間で約1万人増加し計約10万6千人となった。
               
 こうした猫ブームに着目したのが一般社団法人「新宮町おもてなし協会」(木本紳一郎事務局長)だ。島では今月16日、恒例の「相島!春フェスタ」を開催。音楽コンサートなどが開かれるが、今年は新たに観光案内所兼販売所を設け、猫のイラスト入りの缶バッジや相島の猫を撮影したポストカードを販売する計画だ。木本事務局長は「猫ブームにあやかって島の歴史や文化なども知ってもらいたい」と話す。

 島民284人に対し猫は約100匹。「(猫は)もはや生活の一部。気にはならない」と話す一方で、「ふん尿や畑を荒らされて困る」と指摘する島民がいるのも事実。無断で家の敷地に入って猫の写真を撮影したり餌を与えたりするなど、観光客のマナー違反も一部で指摘される。木本事務局長は「猫と触れ合う時はマナーを守って楽しんで」と付け足すことも忘れなかった。

この記事は2016年04月09日付で、内容は当時のものです。

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