代理婚活 花盛り 親同士の「見合い会」次々 「本人忙しく、紹介者もいない」

 親が子どもに代わって集団お見合い会に参加して結婚相手を探す「代理婚活」が人気を集めている。パートナー探しに消極的な「草食系」の若者は、結婚まで親頼み?と思うなかれ-。人気の背景を探ると、男女ともに仕事で忙しく出会いの場が少なくなったことや、お見合い文化の衰退といった時代の変化があるようだ。 

 「お子さんはどこにお勤めですか」「娘の仕事は続けさせてもらえるかしら」。6月24日、福岡県久留米市の久留米商工会議所の一室は60~70代の48人の熱気で暑いくらいだった。一般社団法人「良縁親の会」(京都市)が主催した「代理お見合い会」の会場だ。

 「子どもの幸せのためなら何でもできるんですよ。親ばかですね」。30歳の息子を持つ福岡県大牟田市の女性(61)は苦笑した。手にした参加者名簿には、相手の勤め先などがびっしりと書き込んであった。

 双方がうまくいきそうだと思えば趣味や学歴など詳しい身上書を交換して持ち帰る。互いの子どもも「OK」となれば実際にお見合いをする。身上書は何人と交換しても構わない。

  

 良縁親の会は2005年から同様の催しを全国で約230回主催し、約1万7千人が参加した。福岡県内だけで、他に10以上の団体・企業が同様の代理お見合い会を開催している。親から自立できない男女が対象といった、限られた世界の話ではないのだ。

 「今の若者は忙し過ぎて余裕のない人が多い」。会の平田勝則西日本支部長はそう指摘する。女性も仕事を持つのが当たり前になった。しかも、一日の大半を送る職場では近年、ハラスメントになるのを気にしてプライバシーに踏み込むのを遠慮する風潮があるという。地域では近所づきあいも、めっきり減った。

 「昔は仕事一筋の人にも、近所の世話好きや職場の上司が見合い話を持ってきてくれたもんですが」(平田支部長)

 13年度版厚生労働白書によると戦前はお見合い結婚が全体の7割を占めていたが、2000年代後半にはわずか5・3%。一方で国立社会保障・人口問題研究所によると10年の生涯未婚率は男性が20・1%、女性が10・6%に上った。

 代理婚活は「出会いの時間がない」「世話好きもいない」と、“二重苦”の現代の独身男女を救うため生まれたものだ。
 

 自治体も代理婚活に取り組み始めた。福岡県飯塚市は6月21日、穂波公民館で参加無料の代理お見合い会を開いた。12年から年1回実施し、4回目の今年は市内外の36人が参加した。公費を使っているが、評判は良い。市こども育成課の鈴木夏実課長は「地縁が薄くなったといわれる昨今、自治体がこうした役割を担うことも必要」と、おせっかいも辞さない構えだ。

 ●「探したのは親、決めたのは私」

 福岡県飯塚市の古賀綾さん(39)は、市が主催した代理お見合い会に母親が参加したことがきっかけで3歳年上の男性と知り合い、13年に結婚に至った。

 古賀さんは高校を出てから菓子会社に就職。母と祖母との3人暮らしで、毎日遅くまで必死に働いた。家計を支える責任感と、徐々に大きな仕事を任せてもらえるうれしさがあった。

 「自分は結婚で苦労したから、娘には良い相手を」。そう母が強く望んでいることは知っていた。

 「結婚願望はあるし、親を安心させてあげたい。でも仕事も楽しいし…」

 36歳になった頃、母が飯塚市の代理お見合い会に参加し、近所に住む男性の連絡先を持ち帰ってきた。忙しさから体を壊した直後だった。男性とは話が弾んだ。打ち解けた男性は「仕事を辞めていいんじゃないか」。暮らしは自分が支えると優しさを見せてくれた。

 「親が探してくれた相手だけど、会うと決めたのは私。ぶつかることもあるけれど毎日が楽しい」。ほほ笑む先には、夫婦で一緒に作ったというディズニーのキャラクターのジグソーパズルがあった。

 ●28日に博多でも

 一般社団法人良縁親の会が主催する「親による代理お見合いの会」が28日午後0時半から、福岡市博多区の博多バスターミナル9階で開かれる。対象は50歳くらいまでの独身の子を持つ親で、参加費1万1000円(夫婦で参加は2万円)。定員80人に達し次第、締め切る。
 同会西日本支部=093(953)7411。

この記事は2015年07月18日付で、内容は当時のものです。

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