寺社で黒崎街おこし 活気復活へ 初の「サミット」で討論

 地域の寺院や神社を街おこしに活用しようという動きが、八幡西区黒崎地区で進んでいる。街づくり団体「副都心黒崎開発推進会議」(会長・利島康司北九州商工会議所会頭)が今秋、「黒崎寺社サミット」と題した討論会を初めて開催。今月には続編企画がお寺である。異色の取り組みを追った。

 「宮司さんとご住職が同席して街づくりを語るのは、有史以来初です」。10月31日に八幡西区内であった討論会の冒頭、主催者の言葉に聴衆約50人が沸いた。パネリストは春日神社、岡田宮、一宮神社の宮司と善定寺、正覚寺の住職の計5人。推進会議は今春まとめた「まちづくり戦略」の中に「コミュニティーの場としての神社仏閣の活用」を盛り込んだ。「活気に欠けるといわれて久しい黒崎の活性化に生かせないか」(関係者)という試みだ。

 それぞれの由来の披露で、一宮神社の波多野正信宮司は別々にあった王子、大歳(おおとし)、諏訪の3神社が戦後合流して現神社ができた経緯を紹介。戦前の三菱資本の黒崎進出に伴う大歳神社移転など、激変した地域の歴史との関連にも触れた。

 討論会では、聴衆から「(絵などの)個展が開けないか」「祭りの日程が伝わりにくい」「一体化した取り組みを」などの要望があった。

 寺社側からは「かつてはコミュニティー機能を神社仏閣が担っていた」(春日神社・波多野雅夫宮司)、「近所に住んでいる門徒は全体の3分の1。活用してほしいという思いはある」(善定寺・木村裕昭住職)、「車でお参りに来る人たちを街に引き寄せる工夫ができないか」(正覚寺・三尾淳慈住職)など、前向きな意見が続出。岡田宮の波多野直之宮司は「京都のように黒崎五社寺めぐりやスタンプラリーをやっても」と提案した。

 活用策の具体例として、小倉北区で昨年秋に開かれたアニメ関連行事に合わせ、岡田宮であった「痛車(いたしゃ)出陣式」の紹介も。アニメのキャラクターを車体に施した「痛車」が全国から集まり安全祈願を受ける様子は、ポップカルチャーの専門誌も取り上げたという。今年も11月29日に痛車出陣式が行われた。城戸宏史北九州市立大大学院教授(地域づくり総論)は「神社とお寺が一緒に街づくりを話すのは画期的。黒崎は底力がある」と評価した。

この記事は2015年12月02日付で、内容は当時のものです。

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