Oh! 寿司学校 鹿児島で外国人観光客に人気 法被と帽子まとい「ヨイショ」

 鹿児島市で外国人観光客向けに開かれている、握りずしの体験教室「康正 寿司(すし)学校」が人気だ。法被と帽子をまとって職人のようにすしを握るのが外国人に大うけ。円高の影響から中国人客の「爆買い」にも陰りが見える中、関係者は「日本文化の新しい発信になる」と力を込める。

 「まず、右手でシャリ(酢飯)をピンポン球のように握ります」。お手本を示す先生役の職人の手元に、外国人たちの視線が集まる。「右手はOKポーズで、形を整えます」「次はピースサインの2本指で優しく包みます。愛情を込めてください。ここが一番大事」。マイクを付けた職人がノリノリで説明する。

 今月18日にあった「寿司学校」には、香港からの観光客約40人が参加。「イーアーサー、ヨイショ!」。指導を受けた参加者たちは、楽しそうにかけ声を発しながらマグロ、カンパチ、サーモンと握り、職人体験を満喫していた。“授業”と記念撮影、食事まで含めて約1時間半のプログラムだった。

 運営するのは鹿児島、宮崎、大分、熊本で回転ずしや和食店計60店舗を展開する康正産業(鹿児島市)。肥田木康正社長は「不安半分、手探りで始めた取り組み」と打ち明ける。

 知人のツアー会社社長を通じて「寿司学校」を発案し、外国人観光客向けに開始したのが一昨年10月。だが、当初は観光業者の視察にとどまり、利用客は8カ月後の昨年6月にようやく千人に達するなど伸び悩んだ。“先生”パフォーマンスに戸惑う職人もいたという。

 ただ、ユニークな体験型のプログラムとして、観光業者の間で評判が広がっていき外国人向けツアーに組み込まれると、今年2月に5千人に到達。4月の熊本地震で九州の訪日外国人観光客が一時落ち込んだが、利用客を順調に伸ばし、8月に1万人を超えた。

 肥田木社長は「これからは爆買いより、日本文化に触れる体験。大都市にない魅力がたくさんある鹿児島は、大きな可能性を秘めている」と力を込めた。

 来日5回目という香港出身の男性(55)は結婚25周年を記念し妻、息子、娘ら家族や親戚の計9人で鹿児島市を訪れて「寿司学校」に参加。男性は「初めての体験で難しかったが、今までの旅行で一番楽しかった」とご満悦。店からは“卒業”の修了証のプレゼントもあり、外国人たちには笑顔が広がった。

この記事は2016年08月31日付で、内容は当時のものです。

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