飲酒運転ゼロへ 3児の命 忘れない 飲酒死亡事故10年 市民ら各地で誓い

 10年前、幼い子どもたち3人が飲酒運転事故で命を落とした25日、現場となった福岡市東区の海の中道大橋や、3児を供養する地蔵がある同区の妙徳寺では早朝から多くの市民が静かに手を合わせ、「飲酒運転ゼロ」の誓いを新たにした。福岡県警は夕方から一斉取り締まりを行い、飲酒運転に目を光らせた。

 朝、海の中道大橋の事故現場の欄干には、愛らしい3児の写真を掲載した新聞記事や3児が大好きだったヒマワリが置かれていた。

 生後9カ月の次男を抱き、初めて現場を訪れた八坂由美さん(34)=同区=は、欄干から海面までの落差に恐怖を覚えたという。花束を手向けながら、「命懸けで産んだ子が一瞬のうちに亡くなった。(3児の)母が助けようと何度も海に潜ったことを想像すると涙が出る」と話した。

 3児と同世代の子を持つトラック運転手の男性(42)=同区=は眼前の海を眺め続けた。「自分の子と重なる。決して忘れてはいけない日」と涙ぐんだ。

 事故翌年の2007年、供養の地蔵が設置された妙徳寺にも3児を悼む多くの人の姿があった。地蔵建立のために募金を集めた石井哲夫さん(82)=同市中央区=は、3体の地蔵に黙とうした。自らも子どもを2歳で亡くしており、事故は人ごととは思えなかった。「いろんな人が飲酒運転をなくそうと一生懸命に努力をしているのに、ゼロにならないことに怒りを覚える」

 県警は午後4時半から、事故現場近くの雁の巣レクリエーションセンター(同市東区)で一斉取り締まりの出動式を行い、樹下尚本部長が「悪質な飲酒運転を排除する使命感を新たにしてほしい」と訓示。白バイやパトカーなど33台が隊列を組んで一斉に出発した。

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