「落ちたのが公園で良かったですねって、また言ってましたよ」

 「落ちたのが公園で良かったですねって、また言ってましたよ」。取材から帰った記者があきれた声を上げた。長崎市の長崎原爆資料館で感想を話す修学旅行生たち。爆心地公園を見て、多くの生徒がそう思うらしい。今は公園になっているが、原爆投下までは爆心地周辺には町があり、人々が暮らしていた。

 「当時は食べる物がなくてね」と話す原爆の語り部に「コンビニに行ったら良かったのに」と真面目に心配する子どももいるそうだ。だが、子どもたちを責められない。自分が想像している世界ですら「そんな甘いもんじゃない」と一蹴されるのは確実だ。

 投下から71年がたち、原爆に遭った人は年々減り、戦争や原爆のリアリティーは急速に失われていく。食い止めるには被爆地に残る痕跡と、先人が残した資料に学ぶしかない時代が来ている。平和宣言が呼び掛ける世界の指導者でなくても、多くの人に長崎を訪れてほしい。

この記事は2016年08月08日付で、内容は当時のものです。

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