天神トイレ 百花繚乱 小説家の書斎風 花が彩る鏡 美肌ライト 商業施設 個性競う

 ●女性人気 (1)地下街 (2)ソラリアプラザ (3)岩田屋、三越

 福岡市・天神で快適なトイレ空間づくりに力を入れ、集客力アップを狙う商業施設が増えている。いい香りがして清潔なのはもはや当然で、プラスアルファの個性を競い合う百花繚乱(りょうらん)の様相だ。「つい足を向けてしまうトイレはどこですか?」。西日本新聞は女性約150人にアンケートを取ってみた。回答には、女性たちのトイレに対する意外なまでのこだわりや、「推しトイレ」への熱い思いがにじんだ。

 ▼「写真撮りたい」

 アンケートは、天神の商業施設の中にある好きなトイレを10代から70代の女性に複数回答で選んでもらい、理由を聞いた。

 最も人気を集めたのは天神地下街。昨年から順次、計約2億4600万円かけて進めた大規模改修が7月に終わったばかり。59人が「好き」と答えた。

 「空間演出がすてきでトイレの概念が変わった」(30代)「中で写真を撮りたくなる」(30代)と、おしゃれな雰囲気が好評だ。

 全4カ所は異なったテーマが与えられている。入り口に飾られた約800冊の洋書が目を引く北東のトイレのテーマは「イギリスの女性小説家の書斎」。南西のトイレは「エーゲ海の小さなおうち」で、個室内にも器などが飾られ、部屋にいるようにくつろげる。

 いずれもリニューアルを機にトイレットペーパーの肌触りが少し柔らかくなったのもうれしい。「いつも並んでいるので、まだ行ったことがない」(40代)という声があるほどの人気ぶりだ。

 管理・運営する福岡地下街開発の那須容子さん(25)は「4カ所がそれぞれの個性にこだわることで、『次はあそこに行ってみよう』と、集客につなげられれば」と狙いを語る。

 ▼緑が疲れ癒やす

 「森みたい」(10代)と評されたのはソラリアプラザだ。4階女子トイレは天井に届きそうなほど背の高い観葉植物ベンジャミンが10本近く並ぶ。人工の緑も各所に配し「すがすがしく、癒やされる」(40代)と56人の支持を得た。

 岩田屋本店と福岡三越は各27票を集め3位で並んだ。岩田屋はフロアによっては出入り口近くに自動販売機や椅子を備えた休憩スペースもあり、「買い物は立ちっ放しで疲れるので便利」(20代)。三越は2014年にオープンした専門店街「ラシック福岡天神」がある地下1階南側のトイレが「色合いが優しくほっとできる」(40代)。5位には福岡パルコ(24票)が入った。

 ▼男性用より優先

 どこも化粧直しのコーナー(パウダールーム)には個室以上に力を入れている。女性が外出先でトイレに入る大事な目的だからだ。ヘアアイロンなどが使えるコンセントを備えたところもある。

 鏡にも工夫が。天神地下街はカラフルな花に彩られた鏡もあり「テンションが上がって、もっとおしゃれしたくなる」(40代)と自宅でのメークにはない高揚感を口にする女性もいた。 「鏡がたくさんあって、大きいので使いやすい」(20代)と実用性が評価されたソラリアプラザ広報の市川明子さん(40)は「周辺のライトは肌がきれいに見える優しい明るさです」

 買い物や仕事の合間にほっと一息-。街中のトイレは本来の「用を足す」目的を離れ、つかの間の私的空間としての存在感を増しているようだ。

 ちなみに、男性用は化粧直しコーナーがない分、どこもやや狭くて内装もシンプルな傾向。大半の商業施設は男性より女性向けの売り場が多く、岩田屋三越の広報担当、水流舞子さん(31)は「必然的にトイレも女性用により力を入れる」。ちょっとお気の毒。

この記事は2016年09月28日付で、内容は当時のものです。

PR

社会 アクセスランキング

PR

注目のテーマ