いまどきの学校<19>主権者教育 生徒の意識どう高める

 「選挙権の変 選挙権の変 選・挙・権の・変!」

 アップテンポな曲に乗せて、スクリーンに学生服姿で踊る人気ダンス芸人「エグスプロージョン」の2人が映し出された。「選挙に関心ないとか政治離れ 言われるけれど 調べたら高校生は政治に関心高い」など、ラップ調のせりふで語りかけた。

 県立鞍手竜徳高(宮若市龍徳)で18日に行われた主権者教育講演会。公職選挙法の改正によってこの夏の参院選から選挙権年齢が18歳に引き下げられ、3年生の一部が対象になることから、地元の宮若市選挙管理委員会を招いて企画された。

 受講したのは1~3年約380人。世界各国の選挙権年齢や電子メールを使った選挙活動の禁止など、実際の投票までに知ってほしい内容について聞き、代表の20人が本物の投票用紙、投票箱を使った模擬投票を経験した。

 ただ、説明を受ける生徒たちは終始うつむきがち。再び380人の視線を集めたのは、スクリーンに登場した若手女優の広瀬すずさんや人気テレビアニメシリーズ「鷹の爪団」のキャラクターたちによるPR動画だった。

 こうした芸人や女優を登用した広報活動は総務省による「18歳選挙」キャンペーンの一環。会場端で見守っていた教師の1人は「ここまでせんといかんのですかね」とつぶやいたが、3年の山中悠生さん(17)は「これまで政治にはあまり関心なかったけれど、動画の説明などを見て選挙について考えてみようと思った」と語る。若者には一定の効果があるようだ。

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 今夏の参院選は7月10日の投開票日が有力視され、公示日は6月22、23日あたりとみられる。すでに残り1カ月を切った。

 筑豊地区の高校もそれぞれ主権者教育を進めており、県立と私立の計16校のうち、すでに鞍手竜徳高など7校が県や地元自治体の選管職員による講演会を実施した。今後公示までに3校も同様の学習会を予定する。残る6校は授業で教師が指導するか、国が作成した冊子を全生徒に渡して目を通してもらうという。

 県教委高校教育課によると、各校の主権者教育担当教諭を集めた研修会を昨年度開き、こうした講習や授業の実施を求めたほか、生徒の校外での政治活動については「保護者の責任と了解があれば学校への事前届け出は必要ない」とする県独自の見解などを通達した。

 鞍手竜徳高の吉丸昌明校長は「最初の選挙が参院選でよかった。解散がある衆院選は実施が不確かだし、地方選は生徒の居住地によって時期が異なる。その場合生徒にどういう指導ができたかは分からない」と打ち明ける。

 県教委は「主権者教育は高校生の政治への関心を高めるのが目的。個別の選挙のためにやっているわけではない」という立場だが、公選法に違反する行為があれば罪に問われる可能性もある。適用1回目となる今回の参院選は特に注目されることが予想され、主権者教育担当の男性教諭は「通知を徹底して、できるだけトラブルを防ぎたいのが本音だろう」と語る。

この記事は2016年05月24日付で、内容は当時のものです。

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