援交防止へ「覆面交渉」 サイバー補導 福岡県警本腰 ネット監視 態勢倍増 11人補導、「氷山の一角」

 インターネット上で援助交際の相手を探す少女たちに警察官が身分を隠して実際に会い、注意や指導をする「サイバー補導」。福岡県内では試行が始まった2013年4月から今年8月までに11人の少女が補導されている。ネットを介した売買春行為が横行しており、県警少年課はパトロール態勢を強化している。

 「今からえんできる人?」。昨年9月初旬、警察官がネット上の掲示板に、こんな書き込みを見つけた。「えん」は援助交際の隠語。警察官は「おはよー。1・3いいよ。場所はどこにしようか?」と返信した。「1・3」は性行為の見返りに渡す報酬で1万3千円を意味する。

 警察官はその後何度もやりとりした後、4時間後に福岡市内の駅前で待ち合わせを約束。現れた女子高校生(17)を補導した。事情を聴くと「とにかくお金が欲しかった」。これまでにも、ネット掲示板を使って援助交際を繰り返していたという。

 県警によると、ネット掲示板に書き込んだ少女たちは、男性とスマートフォンの無料通信アプリのIDを交換し、報酬額や待ち合わせ場所を決める。ネットでは援助交際に特有の隠語も飛び交い、性行為の見返りに少女に渡す金額は「イチゴ」が1万5千円、「ホ別2」がホテル代とは別に2万円を意味するという。

 サイバー補導は13年4月、福岡など10都道府県で試行が始まり、同10月からは全国に拡大された。福岡県警はこの年、下着を売ろうとした中学3年と19歳の専門学校生の2人を補導。14年には、援助交際の募集などの不適切な書き込みをした31人と接触を試み、17~19歳の少女5人を補導した。

 今年は8月までに17~18歳の女子高校生4人を補導。県警によると、少女たちの動機はすべて「お金」で、中には「卒業旅行代」「彼氏へのプレゼント代」との理由もあった。11人の少女のうち、子どもの非行に気付いていた親はゼロだった。

 県警は7月、本部少年課員6人で行ってきたサイバー補導担当に、管内に繁華街を抱える4警察署員を加え、計12人に態勢を倍増させた。だが、途中でやりとりを打ち切られたり、待ち合わせ場所に来なかったりするケースも多い。

 少年課幹部は「補導した少女は氷山の一角とみられる。事件に巻き込まれる前に子どもたちに注意を促したい」としている。

●警察庁まとめ 平均16.1歳、7割は高校生 インターネットに援助交際の募集などの不適切な書き込みをしたなどとして、全国の警察が2013~14年にサイバー補導で注意・指導した18歳未満の数は首都圏を中心に597人に上る。このうち6割は非行・補導歴がなく、ネットを使った援助交際が非行の入り口となっている現状が浮かび上がっている。

 警察庁によると、補導された年齢は、17歳253人▽16歳212人▽15歳85人▽14歳34人▽13歳13人-で平均年齢は16・1歳。高校生が406人と7割を占め、次いで無職95人、中学生も78人など。目的は援助交際が366人、下着売買が223人、その両方が8人だった。非行・補導歴なしが363人に上った。

 書き込み先は8割近くの460人がネット掲示板を使用し、その後、スマートフォンの無料通信アプリのIDを交換するなどしていた。

この記事は2015年09月04日付で、内容は当時のものです。

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