大型連休で来日の中国人観光客 期待の「爆買い」空振り 県内商業施設 恩恵見えず 佐賀県

 中国の「国慶節」(建国記念日)を祝う今月1~7日の大型連休には、多くの中国人観光客が来日した。中国の格安航空会社(LCC)「春秋航空」の上海-佐賀便の利用率も好調なため、県内でも商品を大量購入する「爆買い」への期待が高まったが、主な商業施設に目立った影響はなく肩すかしを食らった格好。背景には、上海便で来県しても福岡市など他県に客足が流れたことや、爆買い目的の旅行客は手荷物の重量制限がないクルーズ船を利用する傾向があるようだ。

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 「佐賀では特に買う物はなかったよ」。5日、佐賀空港で帰国便を待っていた上海の会社員男性(40)はそう話した。家族3人で9月30日に来日、大分市や福岡市天神に宿泊して温泉や買い物を楽しんだ。ただ、佐賀県内では佐賀城本丸歴史館(佐賀市)に寄っただけで商店やデパートには足を運ばなかったという。

 春秋航空日本支社(大阪)によると、週3回運航の上海-佐賀便(180席)の搭乗率は国慶節直前の9月28、30日は80%、10月3、5、7日は90%だった。

 佐賀市の「ゆめタウン佐賀」と「佐賀玉屋」、「イオンモール佐賀大和」、「ドン・キホーテ佐賀店」では外国人旅行者の消費税の免税サービスなどに取り組んでおり、国慶節の集客増にも期待したものの、4店舗とも連休中の中国人旅行者の来客数は普段と同程度だったという。イオン九州は「期待外れ。団体旅行者を呼び込むために旅行業者に観光ルートに組み込むよう働き掛けたい」とする。

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 福岡の各施設の中国客取り込み戦略は一枚上手だ。キャナルシティ博多店など20の商業施設は初めて国慶節に合わせ、今月末まで割引サービスを実施。共同で商品をPRし合うキャンペーンを展開した。市も情報発信を支援。キャンペーン事務局は「反響は大きい。売り上げ増につながるだろう」と手応えを語る。

 「爆買い」目当ての中国人旅行者の多くが博多港に寄港するクルーズ船を移動手段に選ぶ点も、佐賀と福岡の明暗を分けた一因とみられる。クルーズ船には手荷物持ち込みの重量制限がなく、コースによっては航空便よりも旅費が安く抑えられるためだ。

 春秋航空日本支社の孫振誠(そんしんせい)支社長は、上海-佐賀便について「満席近くを予想したが、旅行客はクルーズ船に流れている。今後も競争は激しくなる」と気を引き締める。佐賀県おもてなし課の中尾政幸課長は「国慶節に中国人旅行者に来てもらいたいという思いはあった。全体的な搭乗率は伸びており、今後も佐賀を旅行先に選んでもらえるよう情報発信を続けたい」としている。

この記事は2015年10月10日付で、内容は当時のものです。

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