「ねじりまんぽ」の橋 解体?保存? 八幡西区・折尾駅そばの高架橋跡 福岡県

 ●市「通行者に危険」耐久性など懸念 土木学会「文化財クラス」と高く評価

 北九州市八幡西区のJR折尾駅そばの高架橋跡について、区画整理に伴い壊すのか、それとも保存するのか、北九州市が決めかねている。橋は約100年前、「ねじりまんぽ」(まんぽはトンネルの意)という特殊工法で造られ、「県指定有形文化財クラス」との評価の一方、耐久性などに懸念も。駅近くの東筑高の卒業生で昨年11月に亡くなった俳優の高倉健さんも学生のころ下をくぐった橋は今後、存廃論議が起こりそうだ。

 橋はアーチ橋で九州電気軌道(現・西鉄)が1914(大正3)年に黒崎-折尾を開通させた際、建設された。橋脚と橋脚の間のトンネルは当初、9連あり、路線廃止(2000年)の前と後に計6連を解体。残る3連のうち一つが道を斜めにまたいでいて、天井を見上げると、れんががねじるように連なる。

 土木学会は全国2800カ所の土木建造物を調査し、橋を折尾駅舎とともに県指定有形文化財級と評価。2010年には「土木技術史の教科書的存在であり、市の近代化の歴史記念碑的な構造物」として、市に橋の保全活用を要請した。

 現在、市は約830億円を投じ折尾駅一帯を整備中で、橋周辺は区画整理の対象。25年までに公園として整備する計画だ。市折尾総合整備事務所の堤清・計画課長は、橋が築後100年を超えている点を踏まえ、「通行者への危険があり、整備後の景観ともそぐわない可能性がある」と指摘。「仮に残すなら、どのような活用ができるのか。解体、保存双方のメリット、デメリットを総合的に検討し、20年の着工までに判断したい」としている。

 地元で長く保存を求めてきた中村恭子さん(71)は「ねじりまんぽは、折尾駅舎などとともに近代の折尾の歴史を示す重要な建造物。後世にその価値を伝えるためにも、絶対に残してほしい」と話した。

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 ●ワードBOX=ねじりまんぽ

 高架橋と道路が斜めに交わる際、橋への荷重を均等にするため、アーチ部分のれんがを斜めに積み上げて造られた橋。明治期に用いられた工法で、トンネルの天井がねじれて見えるのが名前の由来。土木学会によると、1996年には全国29カ所で確認され、うち18カ所がJR西日本などの東海道線沿い。九州では折尾と、JR日田彦山線採銅所-香春間にある「けやき坂橋梁(きょうりょう)」(香春町)の二つが確認されている。

この記事は2015年11月03日付で、内容は当時のものです。

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