介護ロボ 開発進む 腕上げ下ろしや立ち上がり支援 実用化2~3年後目標

〈腕をサポート〉わずかな変化に合わせて上げ下ろしを支える 拡大

〈腕をサポート〉わずかな変化に合わせて上げ下ろしを支える

〈運搬〉リードを引くと自動的についてくる 〈立ち上がり支援〉リモコン操作で近づき、そのまま移動も可能

 少子高齢化が進み、やがて介護の担い手も減少する将来へ向けて、介護や福祉の分野にロボット技術を応用する動きが始まっている。厚生労働省と経済産業省も安全基準づくりや開発を後押しする施策を始めた。ただ、SF映画のような人間型ロボットが高齢者を介護する場面は、少し先の未来の話。ロボット技術を応用した安価で使いやすい実践的なハイテク介護機器として、2~3年後の実用化を目指しているという。

 厚労省は2011年度から、利用者のニーズを調査して開発に生かす支援事業に取り組んでいる。その一環で、ベンチャー企業のリハロ(東京都稲城市)は腕が不自由な人を助ける「SAKURA」を開発している。

 わずかでも筋力が残されていれば、腕の荷重のわずかな変化に合わせて電動アームが上げ下ろしを支える。電気を使わずスプリングの力だけで稼働する機器も開発中だ。社長の川島崇さんは「腕の動きは複雑なので開発が難しい。今後、小型化や製品の親しみやすさに取り組む」と話す。

 東京工業大学、大阪電気通信大学、東京女子医科大学のチームは、惑星探査車の研究を応用して、在宅酸素療法用の酸素ボンベを運ぶ車両型ロボットを開発している。

 飼い犬用のリードを引っ張ると、人が歩いた軌跡を自動的についてくる仕組みで、10センチ程度なら段差も乗り越える。東工大助教の遠藤玄さんは「ロボット技術が介護現場に入っていくためには、使い方や見た目について、ある種の『親和性』が重要なので、今後さらに改良します」と意気込む。

 産業用ロボットで高い技術力を持つ富士機械製造(愛知県知立市)は、下肢が不自由な人の立ち上がり動作をサポートする試作機を手掛け、経産省が本年度から始めた開発・導入促進事業に採用された。リモコン操作でロボットが自動的に近づき、保持パッドとハンドルにつかまった人を支えてゆっくりと立たせる。そのまま移動することも可能で、離れた場所の車椅子やトイレへの移乗介助に使うことを想定している。

 経産省と厚労省は今後、「移乗介護」「移動支援」「排せつ支援」「認知症の人の見守り」を重点に介護ロボットの開発支援を進めていくという。経産省産業機械課課長補佐の北島明文さんは「2~3年後に実用化できるような実践的な研究を推進します。優れた介護ロボットを選ぶコンテストのようなものができないかも検討中です。細かなニーズに応えるため、開発には小回りも必要なので、大企業だけでなく中小企業の技術力にも期待しています」と話している。

=2013/07/25付 西日本新聞朝刊=

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