噴出ストップ 温度3度上昇 枯渇泉源復活 阿蘇の温泉異変次々 熊本地震

 熊本県阿蘇市内の旅館などで組織する阿蘇温泉観光旅館協同組合は26日、加盟する19軒のうち9軒の温泉が16日の本震後、湯が出なくなったり、湯量が減ったりして営業を休止していることを明らかにした。数年前に泉源が枯れて閉鎖された浴場跡地のポンプから湯が出るなどの事態も起きており、同組合は「地震後、あり得ないことが続いている。泉源の掘り直しも検討しなければならない」と頭を抱えている。

 同組合によると、9軒は内牧地区にある温泉施設。地下数百メートルの泉源からくみ上げても砂などが混じるほか、地下にポンプで空気を送っても温水の噴出がないという。周辺の施設でも湯の温度が3度上昇したり、湯量が増えたりしている。9軒の一つで、創業95年の五岳ホテルの池田宗高社長(58)は「こんなこと初めて。大きな余震が続いており、まだ調査に手が付けられない」と困惑する。

 一方、枯れた泉源から湯が出たという元公衆浴場を管理していた阿蘇市内の男性(73)は「35度のお湯が出ており、大地に異変が起きている」と驚く。

 同組合の稲吉淳一理事長(47)は、2012年の九州北部豪雨や阿蘇山の噴火を乗り越え、観光客が回復傾向にあっただけに、予約キャンセルなどに伴う風評被害を懸念。「廃れるわけにはいかない。各旅館ともできる範囲で復興支援に協力しており、一日も早く再開したい」と前を向いた。

 京都大の大沢信二教授(地球流体化学)は「温泉水をくみ上げるポンプなどの設備の破損か、地層が大きく動いたことで水脈がずれたかのどちらかが考えられる」と話している。

この記事は2016年04月27日付で、内容は当時のものです。

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