旧門司税務署の「桜」伐採 「地域の宝」市民惜しむ 地元 寝耳に水「残念」 署が移転「管理できず」 福岡県

 門司税務署が門司区清滝から同区西海岸に移転したのに伴い、清滝の敷地内に植えられていた樹齢約50~60年の桜の木18本が伐採された。税務署側は「管理者がおらず、放置できなかった」としているが、約半世紀にわたり、春の満開シーズンに地域住民の目を楽しませていただけに「何とかして残せなかったのか」と惜しむ声が出ている。

 税務署によると、桜の木は1962年に10本、1968年に8本植えられた。春になると、淡いピンク色の花を咲かせ、近くの住民たちだけではなく、確定申告に訪れた市民にも喜ばれていた。

 しかし、税務署が9月20日に同区西海岸の門司港湾合同庁舎に移転。清滝の建物は解体して更地にした上で福岡財務支局に引き継ぐことになり、今月上旬までに全て伐採したという。

 税務署の担当者は桜を伐採した理由について「自分たちで桜を管理できなくなるため」と説明。過去に桜に毛虫などの虫が大量に発生し、近隣の住民から苦情が寄せられたことがあったといい、「管理者がいない状態で桜を放置することはできなかった」(担当者)と強調する。

 だが、地元にとって伐採は寝耳に水だった。旧門司税務署と真向かいの門司掖済(えきさい)会病院(同区清滝)に勤務する40代の女性看護師は「窓から桜を眺めて楽しんでいた患者さんもいた。仕方がないかもしれないが残念」と肩を落とす。同院に入院経験のある男性(61)は「桜は枝ぶりも良く、花をたくさん咲かせて本当にきれいだった」と振り返った。

 近くに住む男性(66)は「地域のどこか別の場所に移植するなど他の手段はなかったのだろうか。地域の宝だったのにもったいない」と嘆いた。

この記事は2016年10月21日付で、内容は当時のものです。

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