リリー・フランキーさんの母が始めた小料理店 のれん継ぎ30年 閉店 梶原カズエさんの「かっぱ姉妹」 福岡県

 ●福岡県直方市古町 リリーさんからねぎらいの生け花

 マルチタレントで作家のリリー・フランキーさんの母親が始めた直方市古町の小料理店「かっぱ姉妹」が30日、店を閉じた。小中学生時代を筑豊で過ごしたリリーさんのベストセラー長編小説「東京タワー オカンとボクと、時々、オトン」にも登場。29日にはリリーさんから、約30年前に「オカン」から店を継いだ梶原カズエさん(78)宛てにメッセージを添えた生け花も届き、にぎやかで華やかな閉店となった。

 小料理店は、宮田町(現宮若市)に住んでいたリリーさんの母親が1986年に開いた。当初の店名は「かっぱ」。小説では「夏休みに帰郷して、開店したばかりの『かっぱ』に駅から直接寄った」などと描かれている。

 リリーさんの母親が体調を崩したこともあり、開店から1年ほどたった頃、店の客で地元の衣料品店に勤めていた梶原さんが頼まれ引き継いだ。梶原さんは姉と一緒に営業するつもりで店の名前を「かっぱ姉妹」としたが、姉は病気療養のため故郷の鹿児島に帰り、梶原さんが1人で切り盛りしてきた。

 リリーさんが「かっぱ姉妹」ののれんをくぐったのは一度だけだが、深く印象に残っているという。高校を卒業したリリーさんは母親と一緒に訪れた。「『坊ちゃん、頑張ってね』と声を掛けたけど、こんなに有名になるとは」

 老朽化のため座敷が使えなくなり、ここしばらくはカウンターだけで営業。近ごろは雨漏りもひどくなり、閉店を決めた。

 人づてに閉店を知ったリリーさんからの生け花には「お疲れ様でした」の言葉も添えられていた。「まさか、こんなうれしいものを最後にいただくなんて…」。梶原さんは涙をぬぐった。

 リリーさんとの久しぶりの対面は11月3日、北九州市立文学館(小倉北区)であるリリーさんの対談会の後、楽屋で実現しそうだという。

この記事は2016年10月01日付で、内容は当時のものです。

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