シーボルト死因 自宅での手術? 新説 妻の手紙に記述 長崎で学会報告

 江戸時代に西洋医学を伝えるため来日したドイツ人医師シーボルト(1796~1866)の死因について、自宅で受けた脊髄の手術が医療上好ましくない衛生環境で行われたことが原因とする説が、長崎市で20日開幕した研究者の会議で報告された。18日に没後150年となったシーボルトの死因は従来、風邪をこじらせたことで生じた敗血症と考えられてきた。

 第10回シーボルトコレクション会議で新たな説を報告したのは、子孫ブランデンシュタイン家に伝わる文書を調査したドイツ・シーボルト協会のウド・バイライス理事長(52)。シーボルトの妻がミュンヘンから訃報を伝えるため、当時日本にいた長男アレクサンダーに宛てた手紙を6月ごろに発見。脊髄の手術後に炎症が悪化したとの記述があったという。術後の経過が思わしくなく、衰弱したとみられる。

 当時は炎症を抑える抗生物質などはなく、手術時の衛生に関する概念も現代とは大きく異なっていたという。外科医でもあったシーボルトは、別の医師による手術がきっかけで亡くなるという皮肉な最期を迎えたとみられる。

 シーボルトの死因については当時、地元紙が感染症のチフスだったと報じた。その後は諸説が唱えられている。

この記事は2016年10月21日付で、内容は当時のものです。

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