いまどきの学校<33>早起き習慣 学力と体力向上狙う

 近年、学校教育の現場で子どもたちの生活習慣の乱れが指摘されている。文部科学省やスポーツ庁の調べでは、朝食を毎日食べている子供は、学力調査の平均正答率や体力測定の結果が高い傾向にあるとされ、早起きして、朝ご飯を食べる運動が全国的に広がっている。筑豊地区の小学校をのぞいてみた。

 肌寒さを感じるようになった10月中旬の午前8時、川崎町の池尻小(森隆子校長、206人)では、登校してきた児童たちがサッカーボールなどを持って、続々と校庭に飛び出していった。「おはようございます」。6年生の体育委員、野村太陽君(11)が下級生たちにあいさつすると、元気な声が返ってきた。

 この日は、定時より10分早い8時15分までに登校する「池小815(早く行こう)運動」の最終日。同小独自の取り組みで、時間や約束を守れる大人になってもらいたいと9月から始めた。運動は毎月第3週に実施。児童たちは早起きして登校し、同級生と教室でくつろいだり、校庭で遊んだりして過ごす。

 野村君は取り組みが始まる前から毎朝6時半に起きて登校していたが、「早めに来る友達も増え、学校に来るのが楽しくなった」という。友人の6年生、永原海童君(11)は「前日までに学校の準備は済ませるようになった。早く起きた朝は1歳の弟の世話も手伝うようになった」と話す。

 教務主任の藤川和久教諭によると、同小の1学期の遅刻者数は1日平均14・8人だったが、運動を始めた9月は同11・3人と改善した。「当初は遅刻者を減らすのが目的だったが、早めの登校で児童たちが校庭で遊ぶ時間や授業の準備にかける時間も確保できるようになった」と成果を実感する。

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 2006年4月、子どもたちに正しい生活習慣を身につけてもらおうと、全国の学校PTAや青少年、スポーツ、経済団体などでつくる「早寝早起き朝ごはん全国協議会」が設立された。同会は市町村のPTAなどと連携し、朝ご飯をしっかり食べるために、早寝早起きする習慣作りを呼び掛けている。

 飯塚市の楽市小(林弘子校長、349人)では08年から、運動の一環で保護者と一緒に朝ご飯について考える「朝ごはんデイズ」を実施。全学年に呼び掛け、年に3回、2日間にわたって朝ご飯のメニューを考えたり、みそ汁やおかずを作ったりする。

 高学年の児童は朝食作りで、ハムエッグやサンドイッチ、ピザトーストなどにも挑戦。子どもから自発的に取り組むことで、保護者にも朝ご飯の重要性に気付いてもらう狙いだ。

 同小の林校長によると、取り組みは保護者にも好評で、同小の恒例行事になったという。「低学年でも、ご飯とみそ汁が作れるようになることが目標。学力や体力の向上に食は不可欠なので、今後も継続していきたい」と話す。

この記事は2016年11月08日付で、内容は当時のものです。

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