いまどきの学校<37>ネット通販 おせち料理 プロデュース

 「知れば知るほどおせちの魅力が詰め込まれた『日向神』をご賞味していただき、あなたの目と舌で本格おせちを堪能しませんか」

 テレビショッピングで目にするような軽快なジェスチャーと語り口で、高校生が自らプロデュースしたおせち料理をPRした。

 大和青藍高(直方市)の普通科キャリアコース2年生45人は5月、ネット通販大手の楽天が全国の都道府県の高校で展開する「楽天IT学校」に参加。11月25日には、全国大会に出場するグループを選ぶ最終選考が同高で行われた。

 インターネットを活用した電子商取引を学ぶ授業の一環。仮想商店街「楽天市場」を舞台にネット通販を実践する内容で、夏休みには冷凍おせち製造「久松」(粕屋町)を見学した。

 生徒は8グループに分かれ、家族構成や年齢層などのターゲットを設定。同社が製造するおせち料理のメニュー約80種類から20数種類を選び出し、原価に基づいて価格を決めた。

 家事や育児に疲れた母親に美しくなってもらおうと命名した「さくら」や、食べた人に長生きしてもらおうと名付けた「鶴寿」など商品名にもこだわった。楽天市場に掲載する紹介ページも各グループが制作。11月から販売が始まり、すでに一部で「完売御礼」が出るほど関心を集めている。

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 プレゼンテーション後には、楽天教育事業プロジェクト推進課の岩井慎太郎さんによる授業が始まった。

 取り上げたのは、売上総額で8チーム中1位と2位のチーム。1位は単価が最も高い9500円のセットを10個販売、2位は最安の7800円のセットを12個売り上げ。2チームの戦略を比較した。

 商品を紹介するページがどれだけ閲覧されたかを示す「アクセス数」と、そのうち実際に購入した人の割合を示す「転換率」が重視されると指摘した上で、「転換率は2位のチームがダントツに高かった。アクセス数を増やすか、転換率を増やすか、ネット通販ではどちらを優先するかの判断が重要」と説明した。

 各生徒も「(画面が小さい)スマートフォンで閲覧することを考えて文字を大きくした」「アクセス数を増やすために(SNSの)ツイッターで宣伝した」など、ページ閲覧を促すための取り組みを発表した。

 12月までに費やした授業時間は50時間を超えるという。同高普通科の浦田佳澄教諭は「情報技術(IT)について基礎的な部分は授業で教えられるが、楽天という大手のサイト上で本物のビジネスを体験できるメリットは大きい。生徒の目の色も違う」と語った。

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 全国大会は来年1月13日に東京で開かれる。同高代表には、男子8人のチーム「ヤマネット博多」が選ばれた。メンバーの菅原元気さん(17)は「物を売るにはどれだけの準備があって戦略と工夫が必要かを学んだ」。早麻光さん(17)は「同世代の高校生がどんなアピールをするかも楽しみ。その中でもぜひ全国優勝を狙いたい」と意気込んでいる。

この記事は2016年12月06日付で、内容は当時のものです。

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