椀物は すぐにいただく

 猫の小町と申します。皆さんがお困りのことをたちまち解決していきます。第3水曜は「和食」の作法や文化について、マナーなどの教養を身に付ける「フィニッシングスクール インフィニ」(福岡市)の副校長で、和食検定実務1級認定者の三浦由加里さん(44)にお助けいただきます。

 目上の方との食事や、改まった席で和食をいただくのは緊張する方も多いのではないでしょうか。箸使いだけでなく作法全般も見られているようで、気になりますよね。和食の会食で出されるのが「会席料理」。今回から2回にわたり、知っておきたい会席料理の心得をお伝えします。

 まず、割り箸の割り方から始めましょう。右手で箸を取り、水平に持って左手で受けます。右手で扇を上に開くように割ります。そのまま食べ始めるのは、いかにもおなかがすいていると見え不作法です。いったん箸置きに置いて「いただきます」と姿勢を正してから取り直します。

 会席料理は江戸時代に誕生しました。お酒と共に楽しむ料理のため、最後にご飯とお汁が出てくる流れになっています。1品ずつ提供されるのが基本で、順番は、先付け(突き出し)→前菜→椀(わん)物→お造り→煮物→焼き物→蒸し物→揚げ物→酢の物→ご飯、留椀(とめわん)、香の物→水菓子です。

 先付けは、季節感のあるあえ物や珍味がほんの少し盛り付けられます。小さな器で出されることが多いので手に持って構いません。

 前菜は、旬の食材を彩りよく盛り合わせたものが多いですね。大きめの器に盛られているときは、手に持たないようにします。

 椀物は、和食の命でもある「だし」を十分に味わえる清(す)まし汁仕立てが多く、繊細な味と香りで季節感を表す一品です。料理人が一番力を入れるともいわれ、メイン料理といっても過言ではありません。最もおいしい状態で味わうために、提供されたらすぐにいただくのがマナーです。椀のふたを取り、初めに吸い口の香りを楽しみます。吸い口とはユズなどに代表される香り豊かな季節の食材です。そして椀種(わんだね)(具)を箸で押さえて汁を一口。椀種は、だしのうま味を味わった後にしましょう。

 お造りは、数種類の刺し身が盛り合わせになっていることがほとんどです。左から右に、手前から奥へ、味の淡泊な白身やイカから、青魚、赤身の順に並べられています。添えられている大根のけんなどは生臭さを消し、消化を助けるので、刺し身と一緒に、または後に食べます。しょうゆの小皿は手に持ち、軽くつけていただきます。

 前菜もお造りも同じですが、盛り付けを崩さないよう意識しながら、味の淡泊なものから濃いものへ箸を進めると、おいしく味わうことができますよ。

 次回は後半の煮物以降についてです。お楽しみに。


※この記事は2016/09/21付の西日本新聞朝刊(生活面)に掲載されました。

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