いまどきの学校<38>プログラミング 必修化前に関心高まる

 「みなさんには世界に一つしかないプログラムを作ってもらいます」

 九州工業大情報工学部(飯塚市)は3日、小中学生を対象にした無料の科学教室「一番はじめのプログラミング」を開いた。参加した市内外の32人は、ゲームを楽しむような感覚でパソコンに向かい、慣れた手つきでキーボードを操った。

 プログラミングとは、プログラムを作ることでコンピューターに複雑な物理計算やロボットの制御などの指示を与える行為を指す。

 この日学んだのは、米・マサチューセッツ工科大学(MIT)が入門者用に開発した「Scratch(スクラッチ)」というプログラミング言語で、パソコンの環境によって日本語、英語など50以上の言葉に対応する。「右」「左」などの方向や「回す」「動かす」などの動作を指示する「ブロック」を画面上で視覚的に組み合わせることで、キャラクターなどの操作が可能になるという。

 指導役の斉藤剛史准教授の説明に合わせ、各テーブルに配置された同学部の学生10人が具体的な指導を担当。実際にパソコンを扱ったのは4時間程度ながら、各参加者は「迷路を進んでゴールを目指す。ある色の線(枠)に触れるとスタートに戻る」「右から流れてくるハードルを飛び越える。失敗するとハードルが倒れてノーポイント」などのゲームを作り上げた。

 直方市立植木小3年の小野壱晟君は「思ったより難しくなかった。将来は任天堂のプログラマーになりたい」と力を込めた。

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 今ではコンピューターだけにとどまらず、自動車や家電、金融サービスなど世界のあらゆる分野に関わる情報技術(IT)。文部科学省はその中心になるプログラミングを「これからの時代で共通に求められる力」と位置付けており、2020年に小学校での必修化を予定する。

 具体的なプログラミング言語や入力手順を覚えるのが主目的ではないが、身近な生活にコンピューターが活用されていることや、問題解決に必要な手順があることを学ぶ力を身に付けるのが狙いという。

 プログラミング教育の必修化は、政府の成長戦略に盛り込まれているため、保護者の関心も高い。九工大での教室は昨年12月に続いて2回目の開催ながら、参加者は前回の23人から大幅に増加。小学生が27人を占め、特に3~4年生が多かったという。

 岡垣町立山田小6年の安村勇輝君と同小3年の妹美星さんを参加させた母親の淳子さんは「プログラムはこれからの時代に必要な技術。性別に関係なく早い時期から慣れてもらいたかった」と期待する。

 企画した九工大理数教育支援センター飯塚分室長の宮野英次教授は「思考が柔軟な幼い頃に始める意味は大きい」と説明。「関心を持てば今後さらに複雑なプログラムをアドバイスもできる。優秀な生徒に入学してもらえれば学校にとってもメリットは大きい」と語った。

この記事は2016年12月13日付で、内容は当時のものです。

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