香春町の「後藤の饅頭」 店主の末子さんが引退 常連客「58年間お疲れさま」 福岡県

 香春町中津原にある老舗「後藤の饅頭(まんじゅう)」店主の後藤末子さん(81)が27日、体力的な問題から58年間のまんじゅう作りにピリオドを打った。今後はおいに店の経営を委ねるという。多くの常連客から惜しまれつつの引退に後藤さんは「みなさんのおかげでここまで頑張れた」と笑顔を見せた。

 後藤さんは1958年、大分県宇佐市から夫正良さんに嫁いで香春町へ。義父が創業して間もないまんじゅう店で正良さんと働き始めた。義父は84年に他界。正良さんが96年に脳梗塞で倒れてからは後藤さんが店を引き継ぎ、2009年に正良さんが亡くなってからも、のれんを守ってきた。

 毎日午前2時から8時間かけて、看板商品の甘酒まんじゅうや、ゆずまんじゅうを作り、彼岸のおはぎ、節句のかしわ餅など季節に応じた商品も加えた。天気予報を見て、晴れなら200個、雨や雪なら100個を目安にしてきた。

 まんじゅうは好評で、筑豊地区はもちろん、北九州市や福津市、下関市などからも常連客が訪れる。100個をまとめ買いする人もおり、いつも昼にはショーケースが空になるという。

 27日には、後藤さんが作る最後のまんじゅうを買い求めようと、花を携えた客が次々に訪れ、後藤さんに「長い間お疲れさま」とねぎらいの言葉をかけた。

 後藤さんは「私の体を気遣って肉の差し入れをしてくれるお客さんもいた。感謝の気持ちでいっぱい。多くの人の支えで今日まで続けてきたが、体力の限界。これからはおいに味をしっかり引き継いでいく」と話した。

この記事は2016年12月28日付で、内容は当時のものです。

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