「ドドド」5車線のむ 早朝に地鳴り、大穴 博多駅前陥没

 九州の玄関口にある大通りに突如、巨大な穴が出現した。8日未明、福岡市博多区のJR博多駅前の市営地下鉄七隈線延伸工事現場で発生した道路陥没事故。オフィスビルは基礎がむき出しになり、停電やガス漏れで一帯は立ち入り禁止に。すり鉢状に崩れた穴は茶色く濁った下水で池のようになり、変わり果てた街並みに人々は息をのんだ。

 崩落には予兆があった。午前4時25分ごろ、地中の工事現場で作業員9人が掘削をしていると、トンネル上部の土砂がパラパラと崩れる「肌落ち」という現象が起きた。土砂を固める吹き付け処置をしたが止まらない。

 同5時ごろには水が出始めた。身の危険を感じた作業員たちが地上に退避すると、道路の一部がへこみ、やがて路面が崩れ始めた。

 同5時10分ごろ、作業員の自主的な判断で三角コーンを立てて道路を封鎖し、同14分に「道路が陥没している」と110番。

 作業員の男性は「いきなりだった。早めに作業を止めていなかったら(穴の中に)落ちていた」。通勤ラッシュの時間なら大惨事となった恐れもあるが、作業員のとっさの判断で人的被害は免れたといえる。

 同6時ごろ、犬の散歩をしていた同市博多区の会社員古賀朗さん(25)は、道路がごう音を立てて陥没する瞬間を目撃した。「下水の臭いがして、滝のように水が激しく流れる音もした」。目の前にあった信号機も穴の中に消えた。

 同6時40分ごろ、近くの不動産会社に出勤しようとした女性(28)は警戒中の警察官に制止された。穴の端が少しずつ崩れ、みるみる巨大化していった。地響きを感じ、どぶとガスが混ざったような臭いが付近に立ちこめていた。

 初めは道路の左右2カ所に開いていた穴は徐々に広がり、道路は細い橋のように真ん中だけが残った。

 同7時20分すぎ、会社員男性(50)が近くのビルから現場を見ていると、ドドドという地鳴りがして、土煙を上げて幅が約30メートルある5車線の道路全体が崩れ落ちた。

 男性は「信じられない光景だった。自分たちのビルも危ない、避難した方がいいのでは、と不安になった」と振り返った。

この記事は2016年11月09日付で、内容は当時のものです。

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