高崎山のサル 勢力図に異変 C群の雄 雌求めB群へ 出生数1/3 消滅の危機?

 申(さる)年が去ろうとするなか、野生のサルを間近で見られる大分市の高崎山自然動物園で、二つのサルの群れに異変が起きている。C群の有力な雄ザルたちが、雌ザルを求め次々にB群に移籍。出生数に影響が出始め、2群態勢となった2002年以降、初めてB群の頭数がC群を上回る事態となった。関係者は14年前のA群のように、C群が消えてしまうことに危機感を募らせている。

 園関係者によると、群れに異変を感じたのは、前回の恋愛シーズン(15年11月~16年3月)。当時、C群の序列3位「カンサー」や4位「キリン」、6位「シックス」がB群に。2位「ゾロメ」もB群の雌にほれ込み、B群で過ごす時間が多くなった。さらにその後、1位「オオムギ」もB群に移る動きを見せている。

 新たな恋愛相手を求め、雄ザルが群れを移ることは珍しいことではない。だが、これだけごっそりと移るのはまれ。22年間、園のスタッフを務める江川順子さん(41)も「たまたまタイミングが重なったのかもしれないが…」と驚く。

 B群の雌ザルにとって移籍ザルは新鮮味があり、魅力的に映るようだ。現在、園では雌ザルが移籍ザルを囲う場面が目立つ。16年のB群の出生数はC群(32匹)の約3倍となる99匹。その結果、16年11~12月の個体数はB群706匹、C群659匹となった。

 餌場にも影響が出ている。これまでは午前がC群、午後がB群とすみ分け、食事をしていた。しかし最近、B群が早く姿を見せ、C群が餌にありつけないことも。群れの間に緊張感が高まる場面もあるが、移籍ザルはC群にとって、かつての上司。なすすべなく、山に戻ってしまうという。

 「C群が消えてしまうのでは…」。スタッフの頭によぎるのは、かつてのA群。群れを離れるサルが相次ぎ、最後はC群に追いやられる形で姿を消した。

 C群には今、英国の王女と同名で一躍有名になった雌ザル「シャーロット」がいる。もしC群が消えれば、客足への影響は避けられない。「恋愛シーズンが終わる4月以降にどうなるか…」。スタッフたちは気をもんでいる。

 ▼高崎山のサルの群れ 1953年の開園当時、群れは「A群」の220匹でスタート。餌付けを繰り返して数が増えると分裂の動きが出始め、59年に「B群」、64年に「C群」が誕生。しばらく3群態勢が続いたが、2002年6月にA群が姿を消して以降、2群態勢となった。

この記事は2016年12月30日付で、内容は当時のものです。

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