「うみがめ館」人材求む 屋久島で保護や調査32年 退職、資金難で存続危機

スタッフを求めている屋久島うみがめ館の大牟田一美代表 拡大

スタッフを求めている屋久島うみがめ館の大牟田一美代表

 鹿児島県屋久島町で32年にわたってウミガメの保護や調査研究に取り組むNPO法人屋久島うみがめ館が存続の危機に立たされている。4人いるスタッフの1人が9月に退職し、もう1人も退職の意向。人手不足は深刻で、資金難もあり、来年1月末までにスタッフを確保できなければ解散する方針だ。交流のある関係者は「日本のウミガメ調査研究の先駆け。何とか存続してほしい」と願っている。

 うみがめ館は1985年4月に発足した「屋久島ウミガメ研究会」が前身。2001年6月にNPO法人化した。ウミガメの上陸、産卵回数で日本一の屋久島町永田地区で調査に取り組む一方、東京大や自治体などとウミガメが産卵地を選ぶ際の習性を調べる学術研究に参画。地元の観察会にも協力し、生態などを紹介する展示館の今年の入館者は1万人を超える。

 代表の大牟田一美さん(66)は「解散すれば、浜や卵が守られなくなる恐れがある」と危機感を抱く。大分県でウミガメ保護に取り組む「おおいた環境保全フォーラム」の内田桂代表も「本来は行政がやるべき調査を行い、生態が分からないウミガメの基礎データを集めた。なくなれば研究が頓挫する」と指摘する。

 ただ、スタッフは産卵期に徹夜するなど重労働の割に報酬は低い。運営資金は会員約400人の会費や入館料、企業からの助成金などで、ここ数年は赤字が続いている。大牟田さんは「継続には能力のあるスタッフを置ける待遇が必要」と環境省に支援を要望しているが、実現していない。

 スタッフに求めるのは体力と精神力に加え、パソコンを使えること。大牟田さんは「仕事はきついので覚悟のある人に来てほしい」と話している。うみがめ館=0997(49)6550。

この記事は2016年11月08日付で、内容は当時のものです。

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