いまどきの学校<41>全国学力テスト 県内最下位から脱却へ

 小学6年と中学3年を対象にした2016年度の全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)について、筑豊地区各自治体の結果が分かった。県内6教育事務所と政令市の計7地区の比較では、小中とも筑豊教育事務所管内(11市町村)が07年度の調査開始から10年連続で最下位だったが、北九州教育事務所管内の直鞍4市町を含め全国や県との差は少しずつ縮小している。

 テストは国語と算数(数学)で、それぞれ基礎的な知識を尋ねるA問題と、主に活用力を問うB問題で実施される。小中学校が1校しかない自治体は、学校名が特定されるため公表対象外(糸田町、赤村など)だが、大任町や添田町は独自に公開している。

 筑豊地区の平均正答率を自治体ごとに見ると、全国平均を上回ったのは飯塚市、添田町など5市町の計8科目。昨年度の6市町の計16科目(理科のぞく)からは半減した。

 一方で長期的な傾向を見ると、全教科で全国平均や県平均との差が縮小。初年度、県内最高だった地区との差は科目ごとに5・3~13・6ポイントあったが、本年度は3・9~10・1ポイントとなった。筑豊教育事務所も「全体的な底上げが進んでいる。いずれ県内最低を脱却できるはず」と期待を語る。

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 県は2014年度から、筑豊の11自治体とそれぞれ「学力向上検証会議」を設置、教育長や各学校と連携して教育方針の共有、臨時教師の配置などを続ける。「知識(A問題)については着実に成果が出ている。課題はB問題の理解力、応用力をどう高めるか。今は表現活動に力を入れている」(同事務所)と語る。

 テスト結果への対応でも筑豊独自の取り組みを進めており、通常2学期以降に成績が判明するのに対し、同事務所では独自の採点ソフトを導入した。4月のテスト直後に各児童・生徒の成績が分かり、到達度に応じた指導が可能になる。すでに管内の約半数の学校が利用しているという。

 全国学力テストは小6と中3のみが対象のため、児童・生徒の成績の変化までは把握できないという指摘もある。独自予算で市販の学力テストを導入する自治体も多く、毎年小1~中3の全学年で実施している飯塚市は「小学は全国平均、中学は県平均を上回った。全国学力テストと併用することでより細かな分析もできる」と語る。

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 主に点数に関心が集まる同調査だが、テストでの「無回答」の状況や同時に実施される「学習状況」の調査にも関心が寄せられている。無回答の割合が低い地区ほど、相対的に高い学力を示すことが知られており、児童・生徒の学習、挑戦意欲の向上も筑豊の課題であることが分かる。

 「学習状況」についても将来の夢や規範意識の有無、毎日朝食を食べているかなどを調べており、同事務所は「学習計画の策定、家庭や関係機関との連携を築く上での重要なポイント」としている。

 本年度全国学力・学習状況調査の県内分の調査結果報告書(180ページ)は県のホームページ=http://www.pref.fukuoka.lg.jp/contents/28houkokusyo.html=で閲覧できる。

この記事は2017年01月24日付で、内容は当時のものです。

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