過疎の島 小学校再開 奄美の池地小 4月に3年ぶり 2家族帰郷、女児2人

 過疎の島に校歌を再び-。児童減で休校となっていた鹿児島県瀬戸内町の離島、請島(うけじま)の池地(いけじ)小が今春、3年ぶりに児童2人で再開する。島は東シナ海に浮かぶ奄美群島の一つで、人口約90人、高齢化率は6割超の限界集落。再び響くチャイムの音と子どもたちの歓声が、地域存続への希望をつなぐ。

 「島を挙げて児童や先生を歓迎する。子どもが舞う伝統芸能のエイサーも復活させ、にぎわいを取り戻したい」。地元の区長勝哲弘さん(74)は、小学校再開に期待を膨らませる。

 奄美大島から船で約1時間。農業や畜産、花き栽培が盛んで診療所や郵便局、食料品店はあるが警察、消防はない。

 池地小は1897(明治30)年創立。併設の中学校と合わせてピーク時は約270人が通ったが、2004年から1桁台に。14年に小中ともに休校となった。島に働き口は少なく、中学卒業後は進学や就職でほとんどが島を離れる。

 小学校は住民のよりどころでもあった。住民が体育の授業を手伝ったり、集落で管理するユリの花の観察会を開いたり、地域との関わりが深かった。

 近く地元出身の2家族が、それぞれ郵便局勤務と民宿を始めるため帰郷。4月から新1年と新3年の女児2人が通うことになる。同県内で休校中の小学校の再開は初めて。町は校舎や体育館、教員住宅の修繕を進めている。

 学校の正門横に児童の成長を見続けてきたデイゴの木が立つ。「今年はいつもよりたくさん咲かせるでしょう」。勝さんは、真っ赤な花が咲く春が待ち遠しい。

この記事は2017年01月03日付で、内容は当時のものです。

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