定員減っても文系人気 大学入試 志願動向 理系横ばい、競争激化 就職率向上が影響

 大学入試は23日から国公立大の一般入試の願書受け付けが始まる。大学生の就職状況の好転に伴い、幅広い就職先が選べるイメージがある文系学部の人気が徐々に復活。学部再編などで文系の定員が減り理系が増える中で、2015年度以降の「文高理低」の状況が続いている。

 文部科学省は15年6月、人文社会科学系、教員養成系学部に対し、社会的要請の高い分野への転換を要請。教員免許の取得を義務付けない教育学部の「ゼロ免課程」などの廃止や改組が相次ぎ、定員は文系が減り、理系が増えた。

 河合塾の分析では、全国の国立大の入学定員は、文系は2年前から1・4%(1537人)減り、理系は0・9%(503人)増加。その他(学際・芸術体育・生活科学)は0・5%(447人)増えている。

 一方、同塾の模試分析によると、今年の九州・沖縄の23国公立大への志願動向は昨年と比べて、社会・国際が15%、経済が16%、法・政治と文・人文が6%とそれぞれ増加。理系は農・水産2%、工3%、理4%と微増にとどまっている。全国の傾向でも、教育学部を除いた文系の学部が伸びており、理系の多くは前年並みの志願者数になっている。

 14年度までは資格が取れ、就職に有利とされる理系学部の人気が高かった。近年の文高理低の背景にあるのが、就職状況の改善と活発な企業の採用意欲だ。16年春に卒業した大学生の就職率は08年のリーマン・ショック前を超えて過去最高で、九州も96・3%で過去最高を更新した。

 福岡市内で14日にセンター試験を受けた高校3年の志水大我さん(18)=福岡県那珂川町=は「文系でも就職先はあるので、不安はない。法学部を目指しており、好きな仕事を見つけたい」。海外留学を目標に掲げる高校3年の内村早希さん(18)=同県春日市=は国際系学部志望で「大学で夢を見つけたい」と意気込む。

 大手予備校によると、学習指導要領の改定に伴い、15年から理科科目の出題範囲が広がり、理系受験者の負担が増したことも文系人気の要因となっている。

 今年は熊本大や宮崎大、北九州市立大などで幅広い人材確保を目指し、入試に面接や集団討論を加える動きも目立つ。代々木ゼミナール教育総合研究所の坂口幸世主幹研究員は「私立も国立も文系学部の競争が激化する可能性もある。しばらくこの流れが続く」と予測する。

この記事は2017年01月23日付で、内容は当時のものです。

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