【特派員オン・ライン】イノシシささげ先住民に謝罪

 台湾の先住民族の集落から樹齢700年のクスノキの木材を盗み、逮捕された漢族の男性が、住民にイノシシをささげて謝罪し許された。集落一帯では、これまでも木材が盗まれる事例があったが、住民全員に謝罪が行われたのは初めてという。

 地元メディアによると男性は昨年12月、台湾南東部にある台東県の永康集落で道路脇にあった木材を家に持ち帰った疑いで逮捕、起訴された。保釈後、罪を償おうと永康集落を数回訪れてブヌン族の住民に謝罪。長老から伝統的な方法で許しを請うよう勧められ、今月19日にイノシシ2頭を献上して改めて謝罪した。住民が集まった儀式の後、許しを得られたという。

 台湾の先住民族は17世紀以降、オランダ人、漢族、日本人などに統治される過程で、多くの犠牲者も出した。現在の人口は約55万2千人で全人口の2・3%にとどまる。蔡英文総統は昨年、「400年の間、台湾へやって来た全ての政権が武力征伐を用い、土地を略奪し、権利を侵害した」と謝罪した。

 苦難の歴史を歩んできた先住民族。全ての許しを得るには、いったい何頭のイノシシが必要だろうか、とふと思った。 (台北・中川博之)

この記事は2017年02月23日付で、内容は当時のものです。

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