公費出張、マイルどうする? 九州の自治体、活用割れる

 公費で取得した職員個人のマイレージの使い道、行政はどうしてる? 航空機の搭乗距離に応じて無料航空券などに交換できるマイレージポイント(マイル)を巡り、九州の自治体の対応が分かれている。福岡県や佐賀県はマイルを使って出張旅費を削減する活用派。一方、私的利用を避けるためマイル取得を禁止する自治体もある。識者は利用状況を公開し、積極活用すべきだと指摘する。

 航空券への交換や割引購入ができるマイル数に達した職員は、次回以降の公務出張に利用すること-。

 福岡県は2014年10月の職員への通知で、「1万マイル」を目安に出張でたまったマイルの活用を促した。私的利用でたまったマイルと区別するため、旅費精算システムに公費で取得したマイルを登録する仕組みを導入。約2年間で職員10人が出張でマイルによる無料航空券を利用し、約35万円の旅費削減につながった。小川洋知事も、航空券の割引購入などに約59万6千円分のマイルを使った。

 佐賀県は08年から、マイルを出張で活用するよう職員に呼び掛け、昨年3月までに74件の利用があり、約300万円を削減したという。福岡市は14年4月から、出張が多い部署で個人マイルの管理、活用を試行し、旅費削減の効果などを検証している。西日本新聞の14年3月時点の調べで九州7県と政令市でマイルを活用していたのは佐賀県だけだったが、この3年で活用が広がりつつあるのは確かだ。

 ただ今年2月時点で7県と政令市、各県庁所在市に尋ねたところ、長崎、熊本、大分、宮崎各県と熊本市、大分市、鹿児島市は、私的利用をさせないためマイル取得の禁止または自粛要請にとどめ、活用していない。このうち熊本市は「(マイルを管理する)コストがかかる」と理由を挙げるが、今後は費用対効果などを検証し、見直しも視野に検討を進める方針という。

 さらに鹿児島県、佐賀市、長崎市、宮崎市はルールを定めず、マイル取得を職員任せにしている。その理由を「運賃を直接割り引くものではないので問題は生じない」(鹿児島県)などとしている。このほか北九州市は航空券を職員に直接支給しているという。

 一方、個人マイルを管理し、活用中の中央省庁は4月から、事務負担軽減のため「年間1万5千マイル」を使う職員に対象者を限定して運用を始めるという。

 ◆活用し情報開示を 八田進二・青山学院大教授(会計監査論)の話 マイルは有効活用した方が良い。ただ住民に情報開示されなければ不信感を生む。自治体は取り扱いの詳細をホームページなどで明らかにすべきだ。

この記事は2017年02月26日付で、内容は当時のものです。

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