貧困支援は縁の結び直し 大村市の長安寺僧侶 吉田 武士さん(33) 長崎県

 3年ほど前、知り合いの男性から電話相談を受け、複雑な思いを抱いた。

 「おやじが死んだけど、カネがないんで葬儀ができん。どうしたらよかろうか」

 遺体が安置された葬儀社に駆けつけ、6畳の和室で読経した。その後、遺体はひっそりと火葬場に送られた。他の親族や友人に知られることなく。

 大学を10年前に卒業し、在家から出家して大村市武部町の長安寺で僧侶になった。貧困のため葬儀を行えず、病院から火葬場に遺体を直接運ぶ家庭が増えていることを知った。

 「私も貧しい家庭で育ちましたが、親族や近所の人に助けられてきて今があります。ところが今の貧困は人間関係も寸断している」

 人と人の縁を結び直すのも僧侶の仕事。しかし、1980年代末から90年代半ばにかけて起きたオウム真理教事件以来、宗教は怖く、うさんくさいというイメージが広がり、特に若い世代が寺から遠ざかっていると感じている。

 「ならば、こっちから出て行って、人の縁の結び直しをしよう」

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