座席どこまで倒す? 新幹線や高速バス 権利派・機能ある「当然」 マナー派・最大「やり過ぎ」 各社、客任せ

 29日からゴールデンウイーク(GW)。新幹線や高速バスを利用して長距離を旅する人も多いだろう。長旅では座席のリクライニングを倒してゆっくりくつろぎたいものだが、倒す時は注意が必要。後ろの乗客とトラブルになるケースもあるからだ。「当然の権利」か「マナーの問題」か。リクライニングは一体、どこまで倒していいの?

 「新幹線のリクライニング(略)マックス倒したら怒られました」「倒してよい角度おせーて(原文のまま)」

 3月下旬、短文投稿サイト・ツイッターでお笑いタレントの小籔千豊さんがこうつぶやくと、1500件以上の「いいね」や千件近くのリツイート(転載)とともに、「倒してイイですよ! だって倒れるのですから」「マックス倒されると圧迫感がある」などの賛否が寄せられた。

 新幹線の場合、傾きは20~30度程度。さて、市民は最大限倒すことをどう思うのか。JR小倉駅(北九州市)周辺で新幹線や高速バス利用者の男女計20人(10~60代)に聞いてみると、肯定派は8人、否定派は12人だった。

 肯定派は「長距離移動では座り心地は重要。リクライニング機能がある以上、最大限倒す権利がある」(40代男性)、「前の人が倒したら後ろも倒せばいいだけ」(50代男性)などなど。否定派は「倒すのは良いが全部はやり過ぎ。後ろは席を立ちにくい」(40代男性)、「狭い空間なのでマナーは重要」(40代女性)といった声が多かった。

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 リクライニングの使用基準をJRやバス会社に聞いたが、答えは曖昧だ。

 JR西日本は「シートの機能活用は自由だが、後ろの乗客には配慮を」。JR九州も「ルールはない。車内秩序の維持に協力をいただきたい」。基本的には客任せと言え、小籔さんのつぶやきに対する答えは「おせーて(教えて)」くれなかった。

 高速バスを運行する西日本鉄道(福岡市)は「後ろのお客さまへ配慮の上、座席を倒しておくつろぎください」とアナウンスしているが、「基準やマニュアルはない」という。別の夜行バス会社の担当者は「あくまでお客さま同士の問題だが、トラブルを防ぐため乗務員が対応することもある」と打ち明ける。

 30年以上にわたり全国各地のバスや鉄道に乗ってきた自称高速バスアドバイザーの須田浩司さん(44)=札幌市=は「公共交通機関である以上、乗客にはマナーやモラルが求められる。互いに思いやりを持てば問題は起こらないはずだ」と指摘する。

 一方、北九州市の天久泰弁護士は「座席を倒すことは乗客の一つの権利と言えるが、後ろの人には快適に過ごす権利もあり、一概には言えない」とした上で、「突然座席を倒すと後部座席のコーヒーがこぼれるなど相手に損害を与える可能性もある。リスクを防ぐためにもひと声掛けることは必要ではないか」。

 楽しい旅行。トラブルを防ぐには、やはり後部座席にひと声掛けることが賢明のようだ。

この記事は2017年04月28日付で、内容は当時のものです。

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