今天中国~中国のいま(35) 民族再興の夢、成否は

 「地下鉄駅の行列には参りました」と北京の知人はこぼした。14、15日に開催された「一帯一路」国際会議で、手荷物検査が強化されたためだ。街頭には武装警察官がずらり。閉幕後もお祭り騒ぎの余韻が残る。

 一帯一路とは、昔の交易路シルクロードの沿線国にインフラを整備していく中国の構想だ。シルクロード自体、日本でも1980年代のNHK番組で紹介され知名度は高い。中国では無論、知らない人はいない。

 「昔の日本もそうだったように、国際貢献したいという中国の願望は強い」と外交官は言う。中国の安全保障上の思惑もちらつくだけに評価は分かれるが、発想自体はユニークだ。

 それにしても、今回は宣伝色が強かった。各国首脳を前に一帯一路の意義をうたい上げ、拍手をもらう。メディアはいかに世界から支持されているかを伝え、アフリカの労働者やアジアの子どもたちが中国語の民謡を歌う映像を流した。

 5千年の歴史を有し、かつては世界の中心だったが、近代に欧米や日本に蹂躙(じゅうりん)された。その国が今や、世界をリードしようとしている-。習近平国家主席が唱える「中国の夢」は長い歴史を踏まえた民族再興の物語であり、一帯一路もその延長線上にある。やや大風呂敷を広げた感もあるが「中国に『控えめ』は似合わない」と中国メディアの友人。なるほど、スケールの大きさは中国らしいか。

 もっとも、知り合いの会社員や大学生に感想を聞くと「興味ない」「経済が良くなるならいいけど」と素っ気ない。「中国の夢」に共感しても、庶民にとって大事なのは実利。成否は習氏の腕の見せどころだろう。 (北京・相本康一)

 =随時掲載

 2017/05/21付 西日本新聞朝刊

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