どうなる? 宇宙の「絆」 八幡東区と鹿児島・南種子町 SW閉園 新交流テーマ模索も 福岡県

 宇宙に関連する施設がある縁で、四半世紀にわたり交流してきた鹿児島県南種子町と八幡東区の「絆」が、切れそうになっている。南種子町にはロケット発射場「種子島宇宙センター」、八幡東区には宇宙をテーマにした「スペースワールド(SW)」があるが、同園が昨年12月、今年末での閉園を発表。関係者から「新たな交流テーマを考えなければ」との声も上がる。

 2014年10月、八幡東区で開かれた「全国餃子(ギョーザ)祭りin北九州」。開幕を告げたのは、南種子町の火縄銃保存会が放った鉄砲の音だった。区と町の友好協定締結20周年を記念し、遠路はるばる駆け付けた。祭りの実行委員会会長を務めた畠中聡之さん(70)は「交流の絆だと感じた。とてもうれしかった」

 SWの開業(1990年)をきっかけとした八幡東区と南種子町の交流はまず経済団体から始まった。

 92年4月、同区の八幡中央区商店街協同組合と南種子町商工会が、宇宙でつながった縁を人の交流や特産品の販路拡大に生かそうと、「姉妹縁組」を締結。

 94年8月には高田正稔八幡東区長(当時)が南種子町に柳田長谷男町長(同)を訪ね、友好協定「南種子町・北九州市八幡東区スペースフレンドシップ宣言書」に署名した。「宇宙のまち」として、「より深い実りある交流を将来にわたり継続」すると約束した。

 その後、八幡東区では同商店街のイベントや秋の「まつり起業祭八幡」で、南種子町特産の安納芋などを販売。数年前まで、双方の小中学生らによる相互訪問も行われた。南種子町企画課の河口恵一朗課長(57)は「SWイコール八幡東区のイメージ。多くの町民にもSWがある街として認識されている」と話す。八幡東区の窪田秀樹区長(58)も「SWがなくなるからといって、すぐに交流をやめるつもりはない」

 河口課長が「宇宙」に代わる新しい絆として注目するのが「水素」。ロケットの発射に液体水素を使うため、南種子町の水素消費量は日本一多いという。一方、八幡東区では2010~14年度、住宅や企業に水素を供給して電力を賄う実証実験が行われた。

 「今年は旧八幡市の市制施行100周年。小学生たちと一緒に八幡に行きたい」。河口課長は交流継続に意欲を示している。

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 ●ワードBOX=南種子町

 鹿児島県の種子島南部にある町で、人口は5750人(2月末現在)、面積は約110平方キロメートル。安納芋や焼酎が特産。1543年にポルトガル人が乗った船が、町南端の門倉岬に漂着し、日本の鉄砲伝来の地となった。種子島宇宙センターは1969年に設けられた。

この記事は2017年03月19日付で、内容は当時のものです。

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