元製薬会社員が宮司に 若松恵比須神社の谷さん 「人集うよう広報経験生かす」 福岡県

 若松恵比須神社(若松区浜町1丁目)で2日、「春のおえべっさん」として親しまれる恒例の春季大祭が始まった。宮司見習いとして5年の研修を終え1日に17代目宮司となったばかりの元製薬会社員、谷洋平さん(40)がこの日、初の神事に臨んだ。「広報マン時代の経験も生かしながら、神社をもり立てていきたい」と意気込む。春のおえべっさんは4日まで。

 起源は約1800年前にさかのぼるという若松恵比須神社。江戸期に宮司が就き、明治から昭和半ば頃にかけて、石炭積み出し港で働く人々の信仰を集めた。本殿脇の玉垣には、筑豊の炭鉱主貝島太助らの名が刻まれる。

 同神社の先代宮司、伊高英俊氏は2010年、56歳で病死。跡継ぎはいなかった。福岡市出身の谷さんは神職とは無縁だったが、妻が伊高さんのめいという関係から親族らが繰り返し説得。谷さんは製薬会社を退職し11年春、国学院大の神道学専攻科に入学した。

 12年春、若松に戻った谷さん。その後、5年間にわたり指導役を務めたのが、伊高さんの親友だった博多の総鎮守・櫛田神社(福岡市)の阿部憲之介宮司(63)だ。

 「地域が一番大事やけんな」。谷さんにとり、博多祇園山笠などで多忙な合間を縫って若松に来て、地元住民から慕われる阿部さんの姿は頼もしく見えた。

 「恩師」に応えようと、谷さんも製薬会社で広報に携わったノウハウを生かし、恵比須神社の運営を工夫してきた。15年の夏越祭の前、近隣の約700世帯に初めてチラシを配布。参拝者が前年比で1・3倍となった。同年12月からは、神社のホームページに英訳を表記。海外から婚礼の申し込みが来るようになったという。

 2日に始まった「おえべっさん」で宮司デビューを果たした谷さん。みこしを引く氏子ら約50人とともに街を練り歩いた。「伊高さんは境内でワインパーティーを催すなどして、地域のにぎわいづくりに貢献した。先代の思いを引き継ぎ、人が集う神社にしていきたい」。谷さんは力を込めた。

この記事は2017年04月03日付で、内容は当時のものです。

PR

社会 アクセスランキング

PR

注目のテーマ