【ここで 在宅はいま】最期の希望 伝えてますか 救急搬送…現場で戸惑いも

救命救急センターに搬送された患者を治療する済生会福岡総合病院の医師たち 拡大

救命救急センターに搬送された患者を治療する済生会福岡総合病院の医師たち

 福岡市・天神の済生会福岡総合病院。1階の救命救急センターが突如、慌ただしくなった。

 「86歳男性、意識なし、呼吸なし、(気管)挿管なし…」。救急車からリアルタイムで届く情報を医師が繰り返す。10分後、ストレッチャーに乗った男性が運び込まれた。

 医師や看護師が処置台を囲む。「挿管できる?できない?無理しないで」「はい、入りました」。口からチューブが入り、人工呼吸器が取り付けられた。

 男性は1人暮らし。通院先の内科医院で倒れた。緊急時に人工呼吸器装着などの延命措置をするかしないか、本人の意思は不明。親族の考えも不明なまま心肺蘇生の処置を施した。

 その後、男性は画像診断で広範囲の脳梗塞と判明。自発呼吸を取り戻す可能性は低く、持病もあって余命は1週間足らず。間もなく駆け付けた親族には喉に穴を開けて酸素を送る「気管切開」などの命を延ばす選択肢を示した。「高齢なので覚悟はしていました」。親族はそのままみとる道を選んだ。

 「救急搬送された以上、まずは全力を尽くして命を助ける。それが私たちの使命です」。則尾弘文センター長は語った。

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