【特派員オンライン】タイの人々がそわそわするソンクラーン 1週間の死者数は442人「死の7日間」とも

 毎年この時期になると、タイの人々はそわそわするらしい。4月中旬にソンクラーン(水掛け祭)の長期休暇が控えているためだ。多くの人が里帰りして、家族だんらんを楽しむ。だが、お祭り気分もあって、交通事故が後を絶たない。昨年の1週間の死者数は442人。「死の7日間」とも称された。

 こうした状況を改善しようと、軍事政権のプラユット首相が3月、暫定憲法44条の強権を発動した。自動車の運転席と助手席以外の、同乗者にもシートベルト着用を義務付けたのだ。あらゆる法律、規則を超えた絶対的な権限を軍政トップに与える44条。発動すれば、議会を通さず、何でも実行可能となる。シートベルトの義務化も猛スピードで5日に施行される。

 たちの悪い一部の警官が賄賂を要求する口実になるため、「喜んでいるのは警察だけ」とこぼす人もいるが、おおむね賛成のようだ。交通の安全につながるのは間違いない。だが、どこか釈然としない。たっぷり時間はあったのに、なぜ正規の手続きで法律を改正しなかったのか。独裁政治に国民がじわじわと慣らされていく。そんな効果も狙った、とは勘繰りすぎか。

この記事は2017年04月05日付で、内容は当時のものです。

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