地域の活力もくみ上げる 兵庫・神河町の新野水車 「水の恵み」列島フォトリレー

 「ギー」「ギー」と音を立てて何枚もの羽根が回る。間に取り付けられた木枠が水路から田んぼへ水をくみ上げる、現役の水車だ。今や時代劇の中でしか見られないような光景に、多くの人が引き寄せられる。

 兵庫県中部の山あいにある神河町の新野地区。300年以上前から水車が使われ、昭和初期には18基が稼働したが、農業の近代化や減反政策で昭和40年代に3基まで減った。

 時代に取り残された水車を、あえて地域おこしの核にしようと9年前、住民らが「新野水車の会」を結成。地域のシンボルとして新たに8基を作った。5月と11月に水車の周りでイベントを開くようになると県内外から多くの観光客が訪れ、山あいの集落がにぎわうようになった。近年は外国人の姿も珍しくないという。

 兼業農家の浦上真人さん(66)は「水車の傾きを調整したり異物を取り除いたりと管理は大変だけど、見に来てくれる人がおるからなあ」と笑顔を見せる。現代の水車は、水とともに地域の活力もくみ上げる。
(写真と文・風斗雅博=神戸新聞)

   ◇   ◇

 西日本新聞と友好紙による列島フォトリレー。生活に密着した水をテーマに、各地の「水の恵み」を紹介します。

 2017 西日本新聞

PR

連載 アクセスランキング

PR

注目のテーマ