漫画家が描く引き揚げ体験 生死と隣り合わせの過酷さ

 赤塚不二夫さん、ちばてつやさんら11人の漫画家が旧満州(中国東北部)からの引き揚げ体験などを描いた作品を紹介する企画展「漫画でたどる引揚げ展」が東京都新宿区の平和祈念展示資料館で9月24日まで開かれている。戦後、活躍した漫画家たちが、生死と隣り合わせの過酷な体験を伝えている。

 赤塚さんの作品「でっかいリュックを背負ってかあちゃんにしっかりとつかまって」は、父親がシベリアに抑留され、母子5人で引き揚げた様子を描いた。幼い妹は実家に着いた30分後、「フゥーっと息を引き取った」という。

 ちばさんの作品は「赤い夕陽のなかをひたすら歩く」。「止まれば死ぬだけ」の状況で、夕日に照らされながら「踏み出す一歩が日本に近づく」という思いで歩き続けたという。

 北見けんいちさんの「引揚船上から見た日本は本当に美しかった」は、日本の港に着いた引き揚げ船がテーマ。北見さんは「(満州と違い)日本って緑緑しているな」という印象を持ち、帰国途上の船で亡くなった人を海へ流す水葬を見た記憶が残ったという。

 このほか、古谷三敏さんの「父に手榴弾の安全ピンの抜き方を教えてもらった」は、父親に手りゅう弾の使い方を教えられ「米兵が来たら、抱き付け。一人は殺せる」と言われた場面を描いた。

 前期と後期で一部展示替えがあり、計約35点が展示される。前期は8月17日まで。入館無料。

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