祝儀袋は、しきたりを踏まえて

 猫の小町と申します。皆さんがお困りのことをたちまち解決していきます。第3水曜は、さまざまな場面のマナーについて「フィニッシングスクール インフィニ」(福岡市)副校長の三浦由加里さん(45)にお助けいただきます。

 海外では人にお金をプレゼントする習慣はあまり見られませんが、日本では古くから、お祝いや弔いなどで現金を贈る、相互扶助の文化があります。その際のマナーを紹介します。

 祝い事に用いる祝儀袋は清浄を表す白い紙に包み、氏名を書いて、のしを付け、水引を結ぶのが習わしです。

 のしは「のしあわび」の略で、祝儀袋の右肩に付いている物です。薄くのばして干したアワビを奉書紙(ほうしょがみ)で包み、海の幸を神様に供えていた習慣の名残です。

 水引は和紙のこよりで、贈り物の目的によって色や本数が違います。通常5本ですが、婚礼関連には10本の金銀や紅白を使います。

 結び方には大きく分けると2種類あります。結び目がほどけるか、ほどけないかによって意味が異なってきます。

 「結び切り」と言われる真結びなどは、水引の両端を引っ張るほどに固く結ばれることから、婚礼など一度きりのものに使用します。葬儀などのお悔やみ事も同様の結び方です。

 また「もろわな結び」といわれるちょう結びは、結び直せることから何度あっても良い祝い事、例えば出産、入学、長寿祝いなどに使用します。

 祝儀袋の表書きは、毛筆でフルネームを書きます。名前の姓と名の間を1文字空けると窮屈に見えません。連名の場合は、右から地位の高い順に書きます。

 中袋には表の中央に金額を書き、裏側に住所と名前を書きます。金額は漢数字の「一・二・三」などの代わりに「壱・弐・参」などの字を用います。

 結婚祝いは、割り切れる偶数は縁起が悪く、奇数が吉数とされていますので、配慮しましょう。8万円は「八」で末広がり、10万円は切りのいい数字として親族間などで使われることもあるようです。

 祝い事では新札を準備します。これも清浄なものを贈ることになります。紙幣に印刷された人物の顔を表にして袋に入れます。

 祝儀袋を持参するときには、ふくさを使います。清浄な贈り物が道中けがれがないようにするためです。紫色のふくさは慶弔どちらも使えますが、祝い事にはピンクやベージュなどの明るい色、お悔やみ事には紺やグレーなどが適しています。まさか祝儀袋が入っていた透明の袋からピリピリと出すなんてことがありませんように。

 お渡しする相手の目の前でふくさをほどき、名前を相手の正面に向けて、両手で渡すのがマナーです。

 心を込めた贈り物は、相手との付き合いをより深めることにつながります。古来のしきたりも踏まえて贈りたいものですね。


※この記事は2017/07/19付の西日本新聞朝刊(生活面)に掲載されました。

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