インドネシアも麻薬戦争 警官の密売人射殺60人、「フィリピンをまね」指摘も

 【バンコク浜田耕治】麻薬のまん延が社会問題化しているインドネシアで、密売人と見なされて警察官に射殺された容疑者は今年、少なくとも60人に上り、昨年の3倍を超えた。国際人権団体が明らかにした。ジョコ大統領が7月、容疑者が抵抗した場合は容赦なく発砲するよう指示したことが影響したとみられる。

 国際人権団体アムネスティ・インターナショナルの16日の発表によると、昨年は1年間に18人が射殺されたが、今年は既に60人と急増している。警察は自衛や逃走防止のためと主張しているが、アムネスティは「麻薬戦争」で多数の死者が出ているフィリピンを「まねしているようだ」と指摘。「殺害しても問題の解決にはならない」と批判した。

 インドネシア当局が強硬手段に出た背景には、麻薬の流入に対する強い危機感がある。7月13日に首都ジャカルタ郊外のバンテン州で約1トンに上る覚醒剤密輸事件が発覚。中国から船で運ばれたとみられ、1回の押収量としては東南アジアで過去最大級だった。

 フィリピンのドゥテルテ大統領による強硬な取り締まりで、麻薬組織は新たな市場を探しており、海上アクセスが容易なインドネシアが次の標的になっているとの見方もある。ジョコ氏は7月21日、ジャカルタで行った演説の中で警察官らに「(インドネシアに入国した外国の密輸人が)少しでも抵抗したら撃て。容赦するな」と呼び掛けた。国際人権団体は「正式な手続きなしの発砲にお墨付きを与える」と異議を唱えていた。

この記事は2017年08月19日付で、内容は当時のものです。

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