【証言】勇ましい遺書は本心か 同郷の特攻隊員を調査した男性

椎窓 猛さん(84)の証言

 こんな山深い矢部村(福岡県八女市)からも、特攻に向かい亡くなった若者がいたのかと立ち尽くした。

 2007年夏、同県筑前町を訪ね、立ち寄った大刀洗平和記念館(旧館)に、特攻隊員の遺影と遺書があった。その中の「栗原続(つづき)」という名にぴんときた。

 矢部村には栗原姓が多く、女優・栗原小巻さんの古里でもある。調べてみると、やはりそうだった。私は当時、村の教育長。栗原続さんの親族は当時の助役で「なぜ、今まで語ってくれなかったのか」と話した。

 私は、ミャンマー(旧ビルマ)で22歳で戦死したいとこを思い出した。戦地への出発前、いとこは村で歓呼の声に送り出された。壮行会が終わり2人きりになった時、いとこは青ざめた表情で話した。「俺はあまり行きたくない。後を頼む」。2人の若者の命がダブって見え、私は栗原さんの足跡を冊子にした。

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