車椅子の選び方 要介護者は調節機能付き 床ずれ防止に専用シートを

二重構造で圧力を分散し、表面も滑りにくい車椅子専用シートの有効性について語る木之瀬隆さん 拡大

二重構造で圧力を分散し、表面も滑りにくい車椅子専用シートの有効性について語る木之瀬隆さん

 介護が必要になった人に利用される車椅子。介護者の労力を軽くする一方、座った人が自分で姿勢を変えられない場合、お尻をサポートしないと床ずれができることもある。車椅子の利用法の啓発などに取り組むNPO法人日本シーティング・コンサルタント協会の理事長、木之瀬隆さんに、選び方を聞いた。

 車椅子には、座面を薄いシートで支える「普通型車椅子」、肘掛けの調整が可能な「モジュラー車椅子」などがある。調整機能の簡易なタイプや、座面や背の角度を変える複雑な機構を持つタイプも。利用者が要介護以上の状態なら調整機能を持つ車椅子を選んだ方がいいという。

 木之瀬さんによると、姿勢を維持して自力で変えられる人なら、背中が車椅子に付いた状態で、お尻の両側に隙間2センチ程度、太ももが座面に付き、膝の内側が車椅子から2~3センチ離れるくらいのサイズがいい。大き過ぎると、体の傾きや、お尻の前方へのずれで腰痛や床ずれの原因になる。

 床ずれを防ぐには座面のサポートが必要だ。避けた方がいいのはドーナツ形のクッション。圧力が集中して床ずれができやすい。自分で姿勢を変えられない人にはあまり快適ではないという。座布団や家庭用のクッションは柔らかく感じるが、滑りやすく、圧力が集中しやすくなる。

 車椅子専用シートはウレタンなどを素材に固い層と柔らかい層の二重構造で圧力を分散し、表面も滑りにくい。おむつなどを替えるときに尾骨の辺りが赤くなっていないか注意し、床ずれが疑われたら訪問看護師に相談して専用シートを検討しよう。

 その上で木之瀬さんは、(1)タイヤの空気の減りや、車軸に巻き付いた髪の毛などで動きが重くなるので、メンテナンスを忘れない(2)ブレーキのかけ忘れは転倒事故につながるので、誰がブレーキをかけるか決めておく(3)動かすときはフットボードに要介護者の足が乗っているか確認する(4)ベッドからの移乗では転倒などに注意する-などをポイントに挙げた。

 ベッドから動かせなくなると、寝たままで食事もトイレも済ませることになる。ある程度、介護度が重くなっても、頭を支えるタイプの車椅子があれば、食卓で家族と食事ができる。木之瀬さんは「車椅子を要介護者を運ぶ道具にしてはいけません。介護する側ではなくて、される人が快適であることを第一に考えてほしい」と話している。

=2013/10/17付 西日本新聞朝刊=

PR

PR

注目のテーマ