インフルエンザ治癒証明って必要? 自治体苦慮 割れる対応

 「インフルエンザの治癒証明書って本当に必要でしょうか」。広島県内の主婦が疑問の声を寄せた。「もう一度受診すると時間やお金がかかる上、混雑する病院で別の病気をもらう心配もある」と案じる。県内23市町の教育委員会に尋ねると、5市町が「原則必要」で、各学校や医師の判断に委ねている市町もあった。

 医師が書く治癒証明書は感染拡大を防ぐ観点で学校や企業で求める事例があるが、法的に必須ではない。

 治癒証明書が「原則必要」なのは広島県内で呉市など5市町。一部の医師やわが子への感染を心配する保護者が証明書を必要と訴えていることなどが理由だ。

 広島市など15市町は「不要」で、2009年に文部科学省が出した「治癒証明書は意義がない」との事務連絡を根拠に挙げる。一方、市教委レベルで「不要」としつつ、校長判断で証明書を求める学校もあった。

 医学的にはどうか。県感染症・疾病管理センター(広島市)の桑原正雄センター長は「法定の出席停止日数は、それ以降は他人に感染させる力がないという意味」と説明。「証明書をもらいに通院し、別の型に感染する恐れもある。治癒証明書は不要」と言い切る。

 証明書がなくても学校と保護者の双方が安心できる仕組みのモデルケースとなり得るのが同県庄原市の取り組みだ。以前は各校で対応が異なっていたが、市医師会と校長会、市教委が協議を重ね、09年度から治癒証明書が不要に。代わりの「治癒報告書」に、受診した医療機関名と日付、発症後の約1週間の体温を保護者が記入し、学校に提出するルールにした。

 家庭で体温を測り、記録し、経過を学校に提出する-。保護者の一手間が、感染拡大を恐れる学校側の不安を和らげる。証明書頼み、医師任せでなく、学校と家庭の連携が大事なようだ。
(中国新聞「こちら編集局です あなたの声から」)
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