(7)防火扉に危機意識 業者に問い合わせ続々

診療所の防火扉の開閉具合を点検する福岡市職員=23日午後、福岡市中央区 拡大

診療所の防火扉の開閉具合を点検する福岡市職員=23日午後、福岡市中央区

 福岡市博多区の安部整形外科で入院患者ら10人が死亡した火災を受けて、高齢者を受け入れている病院や診療所から、防火扉に関する問い合わせが消防設備点検業者に相次いでいる。防火扉の点検を受けているかどうかを把握していない責任者も多く、火災を機に防火態勢を見直す動きが広がりつつある。

 「本当に防火扉が閉まるのか、もう一度確認してほしい」「防火扉の点検を契約内容に追加してほしい」-。長崎県内の消防設備点検業者には安部整形外科の火災以降、病院を中心に十数件の問い合わせが寄せられた。避難訓練で初めて、防火扉を実際に作動させることを決めた病院から協力も求められた。

 福岡市内の点検業者には20件以上の問い合わせがあり「そもそも、うちは防火扉の点検をしてもらっているのか」との質問も目立つという。

 防火扉について、建築基準法は半年から3年に1度の点検を義務付けているが、ベッド数19床以下の有床診療所などを対象に含むかどうかについては、各自治体で対応にばらつきがあるのが現状。また、消防法に基づいて、消防署や業者が査察や点検を定期的に行っているが、実際に作動するかの確認は義務付けられていない。

 安部整形外科では、これまでに防火扉の点検が一度もされていなかったのに、安部龍暢(たつのぶ)院長は「消防によって点検されていると信じていた」と話している。点検業者によると、同様に点検の状況を把握していない責任者は少なくないという。

 防火扉のメーカーなどでつくる「日本シヤッター・ドア協会」(東京)は「火災時に、経年劣化などで正常に作動しない恐れもある。定期的な点検などの維持管理は重要」と強調する。

 安部整形外科と同じ有床診療所の鹿子生(かこう)整形外科医院(福岡県太宰府市)の鹿子生健一院長は「規模の小さい医療機関に余裕は全くなく、点検は大きな負担だが、今回のような火災はどこでも起こり得る。できることから行動することが重要だ」と話している。

=2013/10/24付 西日本新聞朝刊=

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